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第26話 (木×斧)
力なく口を開けてガクガクと揺れ動くツガイの身体をそっと人型の腕で包み込むように抱きしめたまま蜜で膨らんだ洞の中を蜜を擦り付けるように何度も擦り上げる。
「ぁ、ぎぃぁ……ぁ、ひぃ」
「泣いてばかりで笑ってくれないからだと思うんです」
真っ赤な顔で目も口を開いたままだらだらと蜜を滴らせるツガイの顔を指先でなぞりながら、その蜜を味わう。
「……それだと無理だな。身体は魔力に馴染んでいても、互いの魔力が交じり合わなければ卵の元はできない。そして、壊れた頭では魔力は作れないからな」
「ぁ、おいっ……止めろ……」
魔王様が窓から伸ばした手を揺らすと私のツガイの首に刻まれた身体を癒す魔紋の反対側に別の魔紋が浮かび上がる。
「これは?」
「それに魔力を注げ……」
「止めろって……」
魔王様が何かを言おうとしているのをツガイが止めているのを不思議に思いながら新しくできた魔紋を見つめる。
卵が産まれるようにする魔紋などはなかったはずだ。
真っ赤に染まりどろどろになったツガイの顔を両手で包み込んでぺろぺろと蜜を嘗め回しながら、首に浮かんだ両方の魔紋へと魔力を注ぎ込む。
「ぁぁ、ひぃぁ……」
流した魔力で回復したのか白目をむいてただ力なく揺られていたツガイが私へと顔を向け汗を流し真っ赤に染まった肌を白く染めた。
「ぁひ……化けも……ぁ、ひ……おれは……あぁひぃっ。腹の中、なんだ。これ、嫌だ」
力ない腕が私の細い手を引き離そうとするように可愛らしく引っ掻く。
「ダメですよ。いたずらしたら」
なぜか甘い香りが薄くなったツガイの香りを高めたくて、本体の先で膨らんだ腹の中をかき回すように突き当りに打ち付けてしまう。
「ぁ、ぎぃ、や……めで……ぁ、がっ……死、ぬぅ」
びくびくと身体を震わせながら暴れるツガイの手が私の表皮で切れ甘い香りの血が零れるのがかわいそうで、その身体を優しく抱きしめて固定したまま、いつものように腹の中と花弁の中を擦り続けて徐々に弱まっていくツガイのいつもと違う動きを感じていた。
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