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第25話 (木×斧)
「ひ、死っ……ぬぅ、ぁがぁ、ひぎぁぎ……死ぬぅ……止めてぇ」
「大丈夫ですよ。すぐに魔力を注ぎますからね」
衝動が納まるまではどうしても繋がりたい欲求が止められない。
私のかわいいツガイの蔓の抜かれたぽっかりと穴の開いた花弁がしんなりと弱っているのがかわいそうで人のふりをした手で優しく包んで先の小さな洞から私の魔力と馴染むように蜜を滴らせた蔓をまた押し込んであげる。
「ぁ、ぎぁがぁ……ぁぁぁ」
ぐちゅぬちょと濡れた音と響くツガイのかわいらしい泣き声に熱くなった本能がどぷどぷとツガイの奥で魔力混じりの蜜を溢れさせた。
「ぁ、ひぁ、熱いぃっ……ぁっ、やぁ、ら……ぁひぃ」
風船のようにぷくりと膨らむ腹に衝動も納まりツガイ中の温度だけを感じながら、濡れた音を立ててツガイの花弁と中をゆるゆると擦る。
「ぁが……ひぃぎぁ……がぁ」
「あー、斧の勇者に悪いことをしたな。精霊みたいな見た目で中身それかよ……俺もあいつに多義潰されていたから見る余裕なかったしなぁ」
「わかった。アンタはアンタのツガイと繋がったままの方がいいみたいだ」
「そうでしょう。こうして繋がっていれば私はとても幸せなんです」
聞こえる魔王様のツガイの声に私のツガイのどろどろになった顔から視線を外さないままうっとりと笑う。
このままずっと眺めているだけで何年もいられる。
「でも、私はツガイとずっと繋がっていたいんですが人は日と水だけでは生きられないんですね。ツガイと二人で森の奥でゆっくりと暮らそうと思っていたのに、魔紋に魔力をたくさん注いでいたのに少しずつ動かなくなって……枯れていくようで……魔王様に人は日と水だけでは死ぬと教えられていなかったらツガイを……失って…………ナク……シテ……」
あの頃の不安がよみがえってきて、またぞわりと黒い何かが溢れて本体がツガイの中でガツガツと動き始めてしまう。
「ぁ、がぁ、ぁぎぃっ……とめふぇぇ」
「大丈夫ですよ。奥は破れてないでしょう? 私の蜜が揺れてますよ」
私の本体が突き上げる度に蜜ごとたぷたぷと揺れる腹を優しく撫でる。
「ぁ、ひぃ、ぁ……」
「こんなに注いで繋がり合っているのにどうして卵ができないんでしょう?」
外皮からはみ出たツガイの足が何度も揺れるのもそのままに太い幹ごとずるりとずっと感じていた気配の方へと視線を向けると、人の形を真似た魔王様が楽しそうに魔王様のツガイの横から見下ろしていた。
「卵が欲しいのか?」
「ええ、私と私のツガイの愛の証ですから、たくさん数えきれないほど生んでほしいんです。ですからこうやって毎日たっぷり私の蜜を注いでいるのですが、いつまでたっても卵ができないんです」
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