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第24話 (木×斧)

「ぁくぅ」  名残惜しく薄く光る私の一部を何本もまとめて作った魔王様の花弁と似た形のそれをずるりと抜こうとするとぐっとツガイの洞に締め付けられる。その可愛らしい抵抗を感じながら濡れた音を立てて私の一部が取り出された。 「ひぃんっ」  ぐぽりと濡れた音を立ててツガイの中から離れた私の蔓をひやりとした空気が冷やし、ツガイ  熱が……感触が消える。  私のツガイの温度が……  蔓でその身体を捕まえていることすら何の意味もない。  ワタシノ ツガイガ ウバワレル  ジワリと足元まで広がった服を模した緑色だった私の身体が徐々に裾から黒く染まり、ずるりと蔓ではなく太い木の根が交じり合った本性が顔を出す。  まだ人型の顔はうっすらと笑みを浮かべているはずなのに視界がどろりとした赤く瞬く何かに染まっていく。と繋がっていた時の温度を消していく。 「ぁ、ぁ、ぁ……ひぃ、あ……いや……だ……助け……」  私の大切なツガイが私の蔓に吊られたままガクガクと震えながらイヤイヤと首を振るのを優しく私の側に引き寄せながら髪を撫で頬を擦り付ける。 「私のツガイ……」  全て本能に支配されているわけではないものの耐え切れない衝動のままに、裾から変わり始めた本性に支配された私の本体から枝分かれした太い枝がピキピキと音を立てながら伸び、先ほどまで私の一部を包んでいた洞へと当たる。 「ぃ、ひぃ……いや、いや、いや、いや」  全身でその身体を感じたくて伸びた根がツガイの身体に絡み包み込んだ。 「ぃぎぃぁぁぁぁっっ……」  喉が裂けそうなほどの悲鳴を上げてのけ反るツガイの外皮の外に見える足の指がきつく握りしめられ、仰け反った腹が洞から勢いよく押し込んだ私の本体の形に膨らむ。  最初はどこまで入れていいのかわからずにツガイの身体の中を穴だらけにしてしまったけれど、私の魔力に馴染んだツガイの狭い洞は突き入れた時は入口からも奥からも甘い血の香りを漂わせるものの、すぐに柔らかいそこでしっかりと私の大きな本体を包み込んでくれる。 「ふふ、奥まで届いてますよ」 「ぁ、がぁ、ぁぎぃぁ」  本体ではない柔らかな蔓で優しく繋がる時はもっと奥まで繋がれるけれど本体は柔らかさがない分ツガイの腹の奥の狭い場所のさらに奥まで受け入れてくれるものの、固く太い本体では私の形に馴染んだツガイの狭い場所の入口をこじ開けることしかできない。  最初は繋がりたい衝動に取りつかれるままに壁すらも突き破ってしまっていたが、それだとツガイがすぐに動かなくなってしまうので今は突き破らない程度で止めるようにした。それでもあまり続けていると魔紋に魔力を流しても反応しなくなるから、いつもは物足りないものの私の一部で我慢しているのだけれど……

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