「オレもこのチョコレート食べてもいいかな？」 「うん。先生、食べてみて」 　綺麗に細工されたチョコレートの一つを、剣上は細く長い指でつまみ、口に入れた。 「……おいしい。さすがに行列ができるだけあるな。甘すぎないし、すごく洋酒がきいてて……。友も味見するか？」 　そう言うと、剣上は友一の肩を抱き寄せた。 　そして、友一がギュッと抱きしめているキャラクターの抱き枕を取り上げ、ソファの端に放り投げてしまうと、唇を重ねた。 　小さく開かれた唇のあいだに剣上の舌が入り込んでくる。 「ん……ん……」 　彼のリードに従い、友一も自分の舌を彼の舌へ絡める。まだまだ友一は幼く、うまくは応えられないけれども。 「ん……、すごい、洋酒の味がする……。酔っ払っちゃいそうだよ。……オレはもうちょっと甘いほうがいいな……」 　極上のキスにすっかり上がってしまった息を整えながら、友一がそう言うと、 「友はまだ子供だからな」 　剣上はからかうように笑った。