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第21話 親友への返事
その日、友一と良太を含む六人の生徒が教室の掃除当番に当たっていた。
とどこおりなく掃除を済ませ、他の生徒たちが帰ってしまうと、友一は良太に言った。
「……ちょっと話があるんだけど」
親友の良太から突然の愛の告白をされてから、一週間以上が経っていた。
すぐに断るつもりでいたのだが、いざとなるとなかなか機会に恵まれず、ずるずると今日まで来てしまった。
昨夜も剣上に、
「友、おまえ、まだ断っていないのか?」
と、さんざんいじめられた。……というか、気を失うまでセックスされちゃったと言うことなのだけど……。
ともあれ、どのみち自分には剣上がいるのだから、絶対に良太の気持ちには応えられない。今日こそはきちんと断らなければ、良太にとっても不誠実であろう。
友一が、話がある、と言った途端、良太がものすごい緊張のオーラを放ったのが分かった。
良太の、緊張がマックス状態の顔には、不安半分、期待半分という今の心境がはっきりと表れている。
……あー、やだなー。良太はいい奴だから、傷つけたくないっていうのに。
逢魔が時の教室で、友一は親友と対峙していた。
「……良太、ごめん。オレ、おまえの気持ちには応えられない」
友一は余計な前置きは言わず、一気に核心を口にした。
良太は友一の言葉に、完全にフリーズしてしまった。しばし固まったまま友一の顔を見つめていたが、やがて、振り絞るような声で聞き返してきた。
「……それは、やっぱりオレが男だから?」
友一は答に迷ってしまった。
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