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第8章 第12話(※)side.賢哉
〜side.賢哉 〜
環生 は小さな口で僕自身を咥え込むと、先端を中心にペロペロ舐め始めた。
美味しそうに先走りを吸われて先端の窪みに舌を差し込まれると、体がビクッと跳ねる。
嬉しそうな環生は、棒の部分に唇を這わせたり、袋や玉を甘噛みしてみたり。
時々卑猥な音を立てながら、幸せそうに舐め回す。
フェラをされた経験は数え切れないほどあるし、中には環生より上手い子もいた。
でも、こんなに嬉々としてしゃぶる子は初めてだった。
まるで愛おしい恋人にでもするようなその仕草や表情がいじらしい。
側にいる秀臣 は優しい手つきで環生の髪や背中を撫でている。
「賢哉さん、どこかして欲しいところある?」
「今のままで充分気持ちいいよ。環生はフェラが好き?」
唇を離して、少し休憩をする環生の両頬をマッサージするように撫でながら聞くと、恥ずかしそうにうなずいた。
「好き…。俺で気持ちよくなってくれてるって思うと幸せだし、俺の口も一緒に愛撫してもらってる気がしてドキドキするから」
「環生はエッチだね。口の中…擦られてドキドキするの」
指先でそっと下唇をなぞると、頬を染めて恥じらい始めた。
「好き…。先端のツルツルのところで、頬の内側を擦られるとお尻が疼くの…」
「そう…。それならたくさん擦ってあげるよ」
咥えて…と促すと、期待するような表情を浮かべながらまた咥え込んだ。
環生の望みを叶えるために、頬の内側の性感帯に先端を押し当てると、柔らかく微笑む。
そのままゆっくり撫でていくと、だんだん瞳がとろけてくる。
「んんっ、ふ…はぁん…」
華奢な腰を艶かしく揺らしながら感じる環生。
じっと僕たちを見守っていた秀臣も、全裸になって環生の肩に勃起したそれを擦りつけた。
「秀臣さんのも大っきい…」
大好物を見つけた時のような笑顔を浮かべた環生は、僕から口を離して秀臣自身にしゃぶりついた。
慣れていてお互いに勝手がわかっているんだろう。
環生は内頬に当たるように咥え込むし、秀臣も慣れた様子で腰を揺らす。
環生のフェラに興奮した様子で甘い吐息をこぼしている秀臣だが、環生を見つめる瞳はどこまでも優しい。
僕を見る時とはまた違った、環生を慈しむような秀臣の表情を愛おしいと思う。
デザイナーとしての秀臣は、自分の世界観を確立していて、我が道を行くタイプだ。
だが恋人としての秀臣は、どことなく年上の僕に頼り切って甘えている部分がある。
そのギャップも気に入っているが、この環生を見守る年上ぶった優しい秀臣も悪くない。
そう思いながら2人を見守っていると、ふと秀臣と瞳が合った。
途端に気まずそうな顔をするから、思わずふふっと笑ってしまった。
「な、何が可笑しい」
「可笑しくなんかないよ。ただ、秀臣が可愛いなと思ってね」
手を伸ばして秀臣の頬を撫でると、照れたような困った顔をする。
そのやり取りを見ていた環生が口を開いた。
「2人とも…キスしないの?」
恋人同士なのにどうして…?と不思議そうな環生。
「…せっかく環生がフェラしてくれているからね」
きっと環生は、秀臣たちに自分だけが愛されるセックスしか経験していないだろう。
僕たちが愛を交わしたら、きっと戸惑うに違いない。
いつも僕たちに気を配ってくれる環生に淋しい思いをさせるのも可哀想だ。
「キスしながらフェラされるとすっごく気持ちいいから俺の事は気にせずキスしてね」
ウキウキした様子で言う環生に拍子抜けしてしまう。
軽率に薦めてくるあたり、よほどこの三兄弟にいい思いをさせてもらっているんだろう。
「俺…2人がキスしてるところ見たいな…。それを見ながらフェラしてみたい」
好奇心の塊のようなキラキラした瞳が眩しい。
僕もだんだん興味がわいてきて、秀臣に目配せをすると、戸惑いながらもうなずいた。
「好きだよ、秀臣」
いつものように秀臣にキスを仕掛けた。
わざと大きな音を立てて、見せつけるようなキスをすると、環生の瞳は僕たちに釘づけだ。
見られて興奮する趣味などないはずなのに、体が熱くなっていく。
「はぁ…。2人の生キス…エッチすぎ」
うっとりした表情の環生は、交互に僕たち自身を舐めたり、空いている方の手で僕たちの昂りを扱いたり。
どちらも疎かにならないあたり、かなり複数プレイに慣れた様子だ。
僕だけを舐めていた時より明らかに興奮しているのがわかる。
心からセックスを楽しんでいる環生の姿。
これは男を狂わせる。
環生中毒者が続出する理由がまた一つ明らかになった。
経験なのか本能的なものなのかはわからないが、男を悦ばせる方法も、自分が悦ぶ方法も熟知している。
「いい事考えた。2人分一緒にフェラしてもいい?そうしたら恋人同士の2人は兜合わせもできてイチャイチャできるし、俺も2人のエッチなところを見ながら一気にしゃぶれて絶対楽しい」
環生は本当にエッチな事が好きだ。
欲望に忠実で…かつ大胆で。
でも、恥じらいと慎ましやかさは兼ね備えていて。
「環生、さすがにそれは…」
環生の唐突な提案に怖気づく秀臣。
秀臣の感情をこんなに揺さぶれるのは環生だけだ。
「したいな…。恋人同士の2人と、秀臣さんの事も賢哉さんの事も、どっちも大好きな俺と…3人にしかできない素敵な事でしょ?」
ふわふわと微笑む環生に、いいでしょ?と言わんばかりに見つめられて断れる男なんていない。
それに3人でなら新しい体験ができると思った。
「そうだな。秀臣と愛し合えて、環生も喜ぶなら最高だ。どうだ、秀臣」
「お前はどうしてそんなに乗り気なんだ」
呆れたような秀臣の声。
「僕は秀臣も環生も愛しているからだよ」
僕はゆっくりと2人の頬を撫でた。
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