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第27話

 2個目。 「どうよ?」 「う、うぅ……」  まだ、苦悶の響きを持つ幸の声だ。 「何だよ、気持ち悦くねぇのかよ」  つまらなさそうな勇真に、幸は気づいた。 (ダメだ。澤くんを、楽しませなきゃ)  朦朧となってきている意識だが、その事だけはハッキリ解った。  切り札は、澤くんが持っているんだ。  彼の機嫌を、そこねちゃダメだ。  幸は、薄く唇を開けた。 「あ。あぁ、んッ」 「そうでなきゃな」  3個目のボールが、手に取られた。

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