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第32話

 登校した幸は、恐る恐る教室を覗いた。  ある!  机が40、ちゃんとある!  そして、赤茶けた砂埃にまみれた田畑たち5人がそこに居た。  異世界に放り込まれて実質24時間も経っていないのだが、それでも相当参ったらしい。  やつれ、目は虚ろで、口を半開きにしている。 「田畑くん、大丈夫?」 「八柳……」  田畑は、悪かった、と頭を下げた。 「お前に不幸の手紙出したの、俺たちなんだよ。ごめん」  田畑に合わせ、他の4人も謝って来た。 「過ぎたことは、もういいよ。それより、一度家に帰った方がよくない?」  そうするよ、と5人は登校中の生徒の波を逆に歩いて行った。

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