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第31話
5回の道のりは、長かった。
それでも何とか、幸は勇真を満足させることができた。
「400年近く生きて来たけど、こんなに楽しいベッドは初めてだぜ」
すでに夜は明け、日が高く昇っている。
「お前も、悦かったろ?」
「うん……」
最初は悲鳴を上げていた幸だったが、すっかり魔法使いの虜になっているようだ。
しかし、道を見失ってはいなかった。
「田畑くんたちを」
ち、と勇真は舌打ちした。
エッチ明けの清々しい朝に、田畑らと来たか。
でもまあ、そんな幸だからこそ好きになったのだ。
「シャワー浴びたら、戻してやるよ」
「約束だよ?」
「はいはい」
尻に敷かれてる気分も、いいものだ。
勇真は鼻歌を歌いながら、シャワーを使った。
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