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第1話 言っちゃった……

「織江課長、好きです。付き合ってください」 え、あ、言った。言ってしまった……。 いっそ酔客の喧騒にまぎれてしまって目の前の相手に伝わってなければいい。 一瞬そんな考えさえ俺の脳裏をよぎった。 しかし、小さなテーブルを挟んですぐ前に座ったこの人は、にやりと唇をゆがめて人の悪い笑みを浮かべた。 「いいぜ、付き合ってやるよ。小島、お前が本気なら、な」

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