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第27話

 貴一さんが俺の着ているバスローブを寛げ、下着を脱がせる。  小さな屹立をゆるゆると扱きあげた。 「あっ、あっ。それ好き」  貴一さんが俺に口づけし、上下させる手を速めた。 「あっ、イク。あっ、あ、あ」  俺は精液を放つと、口内の貴一さんの舌を噛んだ。  空いている腕で貴一さんが俺を強くかき抱く。 「ちょっと待ってて」  貴一さんは唇を離すと言い、バックを手に戻ってきた。  抑制剤かな。  俺の予想は外れた。貴一さんは黒い首輪とコンドームの箱を取り出す。  その首輪は誤って性交中にオメガのうなじを噛んでしまい、番となることを防ぐための物だった。  体と頭は興奮で熱く煮えたぎっているのに、俺の心はそれを見た瞬間、氷を落とされたように冷たくなった。  本当に俺と番たくないんだ。  ちゃんと言われていたことなのに、改めて首輪を見ると実感してしまう。  貴一さんは背後に回ると、俺に首輪を着けた。 「苦しくない?」 「うん」  そう答えた瞬間、顎を掴まれ、覆いかぶさってくる貴一さんに唇を奪われた。 「あっ、欲しい。もう駄目」 「うん。俺もこんなだ」  熱く濡れた屹立を太ももに押し付けられ、本能が歓喜する。首輪のことなんて頭からすっぽりと抜けた。  ちゅ、ちゅと首から胸にかけて貴一さんがキスを落とす。 「もっ、いいから入れてっ。お腹熱くて苦しい」  足をばたつかせながらせがむと、貴一さんが上半身を起こした。 「分かった。とりあえず一回いこうな」   貴一さんが慣れた手つきで自身にゴムを着け、俺の濡れそぼった穴に押し当てた。  一気に貫かれ、白目を剥きそうな快感が背筋を駆け上がる。 「ひっ。あああ」 「痛くないか?」  俺の頭を撫でながら貴一さんが問う。 「痛くない。奥、もっと」  腰をくねらせながら言うと、貴一さんが腰を動かし始めた。  突かれるたび俺の先端から、白濁が飛ぶ。 「いっ、イイ。ああ、こんなのおかしくなる。ああ」  両手を貴一さんに伸ばすと、貴一さんが俺の掌にキスを落とし、かがんで俺に口づけた。  腰の動きは速さを増し、「ああ、うわっ」と俺はもう喘ぎ続けることしかできなかった。  俺の一番奥で貴一さんはピタリと腰を止め、更にぐっ、ぐと押しこもうとしてくる。  ふっと息を吐くと、貴一さんが俺の上に体を倒した。

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