8 / 105

第7話

 実際には真っ裸なのだからオレの首を絞めるものは何も無い筈だったのに、部長の言葉が鎖のように絡みつく感覚がする。 「あ  ぁ   」  空気を求めて口を開くもうまく吸い込むことが出来ない。  酸素が急に足りなくなったせいかじわりと涙が滲んで視界がぶれる。  オレだけを見下ろす無表情な男の顔だけが、ぼやけた視界の中で唯一はっきりと見て取れた。  カチ カチ と奥歯が鳴る。 「どうする?」 「や 」 「「いや」か?」 「ちがっ」  雫の伝う感覚がする。  いい年をした男がこんな簡単な言葉で泣き出すなんてことに屈辱を感じるも、それでも放り出すと言う言葉はオレを震え上がらせるには十分で…… 「いい顔だな」  しゃくり上げるオレを満足そうに見下ろしてくる。 「っ……」  目が細められ、強い視線が緩んでやっと息が吸い込めた気がした。  そんなオレを満足そうに見下ろし、征服欲を満たすためなのか力強い律動を再開する。  ぬるついた皮膚同士の擦れが、堕ちるような快感を産むなんて部長に教えられるまで知らなかった。  乱暴にされて泣きながら達することの快楽に、翻弄され飲み込まれ……  オレの足を持つ部長が体を強張らせて小さく呻く。  体積の増したモノに攻め立てられ、オレもあっけなく二度目の吐精をした。

ともだちにシェアしよう!