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第96話

 それはまさに棘の鳥籠だ。  しなやかで柔らかで千切れやすく脆い棘。  けれど小さな棘はこちらを絡めとり細い茎は幾重にも巻いて、いつでも引きちぎれると思っていたそれに、気づけば身動き一つとれないほど絡めとられている。  やがて流した血を吸い上げ、それは小さな赤い花を咲かすだろう。  私と言う鳥の血を吸って…… END.

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