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第1話
音を消したテレビの明かりに照らされ、ふたりの影が壁に揺れる。
「大丈夫か?」
イき続けてトランスしそうになった僕の頬を軽く叩きながらリョウさんが問う。
ゆるやかな曲線を描くように腰を揺らして答えると、ベッドに横臥したリョウさんが薄く笑った。
最高に気持ちいい。
馴染みきった相手とのセックスは、僕の身体を余すことなく楽しませてくれる。初めての相手と肌を合わせる期待と高揚も嫌いじゃないけれど、互いに飽くことなく続いたからこそ得られる特別な快楽は格別だ。
一度最奥で達したリョウさんは余裕があるのか、僕に小休止をくれる。頬から下ろした手で僕の手を取り、指を絡めて握った。
「なあ、恵兎。結婚式ってどう思う?」
「去年親戚のに出たときは……形式的で進行に振り回されて大変そうだったけど」
なんでこんな体勢でそんな話題なのかと思わないではないが、思ったことをそのまま伝える。結婚なんて縁がないと言えない僕は、居心地の悪さを半日の間必死で堪えた。
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