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第11話
カーテンの隙間から溢れる陽射しで僕はゆっくりと目を覚ます。
僕の隣ではまだ気持ちよさそうに寝息を立て忠さんが眠っている。
朝、目覚めると隣には忠さんがいるのが幸せだと思える。
忠さんと出逢っていなかったら僕はずっと色のない世界で生きていたに違いない。
忠さんの寝顔に触れようと左手を伸ばすと昨日の朝まではなかった薬指に指輪が嵌められていた。
僕達、結婚したんだよね。
「指輪・・・。」
そう呟いて口元を綻ばせながら指輪を眺めているとフッと手を握られて忠さんが指輪に口づけをして僕に優しく微笑んだ。
「おはよう。綾。」
「おはよう。忠さん。」
僕達はこれから先も毎日変わらず忠さんと朝を迎えて過ごしていくんだよね。
僕は忠さんを想い。
忠さんは僕を想ってくれる。
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