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「……」
幾ら自分が幸せになりたい、すべての責任は自分が背負うからと言ったところで素直に受け入れる事なんてできないのは分かっていた筈だったのに、傍らに圭吾が居てくれると言う安堵に気が緩んでいたのだと、秋良は自分を責める。
あの仲の良い二人を見ていた筈なのに…
圭吾が自分の幸せよりも姉の幸せを願っているのを知っていた筈なのに…
それでも、傍らに来てくれたのだ。
咽び泣かなくてはならない程の、姉に対する罪悪感を抱えながら…
握り締めた拳が震える。
泣いている。
自分が泣かせた。
けれど…圭吾自身を泣かして尚、それでも秋良は圭吾と共に在りたいと思う。
自身では言い出せない圭吾の底にある願望を…
世の中、そして圭吾自身に泣かれたとしても叶えたかった。
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