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「ごめん…な」 「…え?」 「…お祝いを…言わなきゃいけないのに……」 「……そ…んな…」  緩く首を振る。  その顔は未だに何が起きているのか理解できない表情のままで… 「アキヨシ…」  いつも少し問いかけるような名前の呼び方。  「何?」と問いかけようとした秋良の唇に柔らかな圭吾の唇が覆いかぶさった。 「アキヨシ」  愛しさの籠ったその声が耳を打つ。 「愛してる」  触れ合う唇の隙間で愛の言葉を囁き、圭吾はそっと体を引いた。 「――――――だから」  秋良の手を包んでいた手が離れる。  急にひやりとした空気に包まれ、襲ってきた不安に圭吾を抱き締めようと手を伸ばしかけた。 「だからな?」  圭吾の声に、腕が止まる。 「――――…幸せに、なってくれ」  伸ばした指に目を向ける。  軽く感じる左手。  違和感に包まれた……薬指… 「け…ぃ……」  指から消えたペアリングにはっと息を詰まらせた秋良は、圭吾の腕を掴むのが一瞬遅れた。

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