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第1話

 オレは古い樹がある古い家を手にいれた。  破格の値段だった。   ここに引きこもり静かに生きていこうと思った。    ここの村人は優しいがどこか距離を置いてくる、そう思った。  荷物は先に送ってあるから、歩いて駅からむかっていたら、通りすぎる人ごとに声をかけられ、挨拶をした。  でも、越して来たと言うと  「ああ、あの家の・・・」  そう言われる。  何かよそよそしい。  でも興味はあるようで、ジロジロみつめられて、そそくさと離れられる。  よそ者が珍しいのか、でも関わりたくはなさそうだな、そうおもった。   でも、その方が有り難いとおもった。  その家の庭の樹にも挨拶した。  「今日からよろしく」  この樹が気にいって買ったのだ。    そして思い出す。  この家を買う条件は「樹を切らないこと、独身なこと」だったこと。  「ホントはもう一つくらいあるんですけど、まあ、いいんじゃないですか」  不動産屋はホントにいい加減だった。  だが、この家を手に入れたから構わない。  静かな家。    大きな樹。      心が久方ぶりに和んだ。    オレは、これからずっと一緒だと、樹に言う。  人間に話しかけるように。  人間よりは樹がいいと思った。  葉がざわめいた気がした 。  触れた木の肌に何故かずっと触れていたいと思った。  頬をすりつけ、しばらくもたれていた。  その夜、淫らな夢を見た。  身体の上にのしかかってくる男の身体の重みを感じた。  思わずすがりつく。  その重みが嬉しくて。  帰ってきてくれたのかと思って。  夢ならあり得る。  優しく抱きしめられた。    「どうして欲しい?」  その声は違ったけれど、そうやって、抱きしめてくれた人は一人しか知らない。  酷く抱かれたこともあったけれど、いつも最後は優しく抱しめてくれた。  「どうやって、お前を愛したらいい?」  優しく囁かれた。     新手のプレイなのかと思って笑ってしまったけれど酷くされるよりはずっといい。  それに、優しい。  本当優しい。  ずっと優しくされたかった。  でもいつもいろんなことはされても・・・して欲しいことなんて聞かれたことがなかったから・・・。  困っていると笑われた。  その笑い声が優しくて抱きついた胸に顔をこすりつけてしまう。    知らない香水をつけていた。  緑の香り。    好きな匂いだと思った。   「どうして欲しい?」  囁かれた。  話し方も違う。   でも疑わないのは・・・その人しかこの身体にふれたことがなかったからだ。  12で行き場のないオレを拾ってくれた。  それまで誰にも構われなかった。  生まれて初めて優しくされた。  暖かいスープ。  暖かいお風呂。  生まれて初めて抱きしめられて、「頑張ったね」と誉めてくれた。  しがみついて泣いた。  「もう心配いらない」  そう何度も言ってくれた。  優しいキスが声が、ただうれしかった。  そして、その日のうちに抱かれた。  「わかる?」  そう囁かれ、服を脱がされた、  薄い胸を撫でる手の意味は悟った。  もうそういう行為の意味はしっていた。  受け入れた。   指も唇も舌も。     だって優しくしてくれたから。  胸にキスされるのは嫌じゃなかった。  優しい綺麗な人だし、そこを舐められたら、何故か股間が熱くなる。     ふざけるように痩せた肋骨を撫でられ、細過ぎる脚を舐められるのも心地よかった。     わかんない、わかんない・・・  そう言いながらその手に体をよじらせていたら、クスクス笑ってくれた。  怒鳴るかわりに。       胸吸われてたら、何故か硬くなった性器を、優しい人が撫でてくれた。  冷たく突き飛ばす代わりに。  指は優しく扱いてくれる。  汚い汚いと言われた自分に優しくしてくれる。  「わかんない」けど・・・  「わかんない」けど・・・  「わかんないじゃなくて、気持ちいい、だよ」  優しい人は言った。  乳首に歯を立てられ、そこがそんな風になるなんて初めて知った。  硬く芯を持ち、舐められ、噛まれるとピクンピクンと性器が震えて、泣き声がでるなんて。  音を立てて吸われたら腰が何故か浮いてしまう。    人の手で扱かれるとまだ未熟で敏感な性器は簡単に溶けてしまう。  「可愛い」と何度も囁かれ、気持ち良さに喘がさせられた。  それを優しい笑顔が見つめていた。  優しいから嬉しかった。  「気持ちいいでしょ?」  そう言われて、何度も頷いた。  生まれて初めての他人の手や舌に溺れた。  そして、まだ小さな身体には大きかったアレも受け入れた。    受け入れた時は確かに痛かったし、その時だけは許して貰えなかった。  痛い。痛い。  泣いて暴れた。  痩せた尻を強く掴まれて、強引に、そして、躊躇なく奥まで貫かれた。  痛いよぉ  泣き叫んで、痩せた背中をそらせた。  でも、許してくれない。  「大丈夫。慣れたらよくなるからね」  優しい声が言った。  優しく髪を撫でてくれたから、激しく突き上げられることに泣きながら耐えた。  「いい子だね」  そう言ってくれたから、懸命に耐えた。  けれど、確かに繰り返される毎日で慣れたら良くなったし、何より、あの人に欲しがられるのが嬉しかった。  学校にも行かせてくれた。  大学まで行かせてくれた。  今なら、お金待ちのお坊ちゃんの気まぐれだったとは分かってる。   10下の子供をペットの代わりにしていただけだ。  そして、手軽につかえるオナホールに。  でも、確かに可愛がられた。  優しくしてくれた。  二人だけの家の中では、恋人みたいだった。  その人しか知らない。  その人しか欲しくない。  だから夢をみるなら、その人のはずだった。  身体の奥、そして心の全てをその人に渡したのだから。  「泣かないでくれ・・・私の花嫁」   夢の中のあの人は奇妙なことを言った。  優しい優しいキスをされた。  こんなにどこまでも優しくされたことはない。  「お前が望むなら・・・何でもしてやる」  優しく身体をその掌でなぞられて、数年ぶりの他人の手に感じてしまう。  「オレを・・・愛して!!」  それはずっと言えなかった叫びだった。  あの人はいつも優しくしてくれた。  いろんな物も買ってくれた。  勉強の相手もしてくれた。  ベッドの中でも何度もイカせて、可愛いと言ってくれた。  お前とするのが大好きだ、とも。  でも、オレはちゃんとわきまえていた。    言われなくても。  素敵な女の子が来る日は、マンションの隣の部屋に行って、決して二人で住んでいることはバレないようにすること。     旅行やレストランには連れて行って貰えないこと。  人前では親戚の子として振る舞うことも。  特別な誰かとしては愛されてはいなかった。  泣きながら愛して欲しいと訴えられるのは夢の中だからこそ。  そう言えば強く抱きしめられるのも夢の中だからこそ。  優しく背中を抱きしめて、もっと言えと言われるのも夢の中だからこそ。  「何でも言え、何でもだ。全部叶えてやる」  その声が苦しげに聞こえたのも夢だからだろう。  「抱いて・・・オレのものになって、オレだけのモノに!!オレが死ぬまで!!」  言えなかった言葉を叫ぶ。  「お前のモノだ。お前だけのものだ・・・こんなにも可愛い花嫁は・・・」  あの人は最後まで言わず、深いキスをしてきた。    そこからは溺れた。     久方ぶりのキスだけでもう、オレは達していた。  ぬるつくそこを、あの人は不思議そうに触った。  「・・・ついていることはなんの問題もないな」  その言葉にオレは泣く。  「女の子がいい?やっぱり女の子が」   言えなかったことを泣き叫ぶ。  部屋に二人の時以外はあの人は砂糖菓子みたいな女の子といた。  優しいキスも女の子にしているのを見た。  いつも、女の子が泊まる時、隣の部屋で、あの人が柔らかい身体を吸って舐めているのを想像していた。  きっと砂糖みたいに溶けるのだ。    女の子は柔らかいんだってオレに笑って言った。  お前もいいけど、女の子は女の子でいいんだって。  「泣くな・・・そういう意味じゃない。そうじゃない。お前がいい。お前がいいんだ。ここを使うんだな?濡らしてやればいいんだな?」  焦ったようにあの人が言って、その穴を指先で撫でた。    あっ・・・  思わず声が出た。  「ここも感じるのか?」  胸を優しく舐められた。    胸だけでイけるように開発された身体は、その感触に悶えた。  あの人はこの身体でいろんなことを試したのだ。  子供を淫らに育てる遊びはお気に入りだった。  「シて・・・もっともシて・・・」  強請る。  そう言うように躾られたから。  「私を欲しがれ、私だけを・・・」  その声の切なさは聞いたことのないもの。  生まれてから、欲しがられたことなんてなかったからあの人から欲しいと言われて抱かれた。  でも、その声は・・・オレに欲しがることを要求していた。  やってもいい範囲のおねだりではなく。  赦される範囲のワガママではなく。    いっぱい噛んで、そう泣いたら乳首を噛まれた。  なめて欲しい、そう泣いたら、アナルを舐められた。  穴の広げ方を教えた。  オレにおしえたのはこの人なのにと思うと不思議だったが、夢の話だ。  教えた場所を指で擦ってイカせてくれた。  そして、夢だから・・・現実よりはるかに大きくて硬いそれで、奥まで貫き、気絶するまで中で擦って回してくれた。  何回もイった。  こんなに狂ったことはなかった。  「オレのモノだ!!」  オレは叫んだ。  この家とここにある物は自分で書いて稼いだお金で買ったもの。  あの人がくれた全ては置いてきた。  そして今、自分を貫くそれも、貫きながら胸を責める指も、求めるように舌を吸う唇も舌も、もっと欲しがれと囁く声も、全部自分のモノだ。  「お前のモノだ。お前がいい・・・」  優しく何度も囁かれた。  求めるまま、奥に何度も放たれた。      こんな風になったことはなかった。  あの人の快楽を優先した。  わきまえていたから。  淫らに感じはしても、どこかであの人の様子を窺っていた。  あの人が嫌がるほど淫らにはならないように。  欲しくてたまらない夜には我慢した。  隣りの部屋であの人が女の子を抱いているのを思いながら、自分で自分を慰めた。  あの人がしたいと言ってくれれば何時でもどこでも応じたけれど。  でも、この夢の中ではみっともないほどほしがり、要求した。  嫌われることを恐れずに。  全部与えられた。  「・・・・・・ああ、なんて可愛いんだ」  夢の中なのに、意識が消えていく時、そう言って抱き締められたのを覚えている  目覚めて泣いた。まだ思い切れないのか、と。  そんなんだからこんな夢を見るんだ。    もしかしたら、と思ったけれど身体にはなんの跡もなく、むしろ、久方ぶりに良く寝たような活力があった。  捨てられた犬がつまらない夢を。  自分を嫌悪した。  愛するように抱かれる夢なんて。  諦めの悪い。  樹の下で泣いた。  樹の肌も匂いも優しかった。   囁くように木の葉が揺れた

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