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第44話 触り合いっこ*

「ほら。こんなにしてたら辛いだろ。いつも俺ばっかりだからさ」 「いえこれは、兄さんのレッスンですから、俺は……」 「見えないから、よくね?」 「え?」 「今ちょうど俺、アイマスクしてるし。貴臣が何してるのかなんて見えないし。だったらいいんじゃね? 貴臣が好きな友達には内緒だぞ?」  これは、俺たちだけの秘密。  俺も、先輩には内緒にしとくから。  そう言っても、しばらく貴臣の反応はなかった。  さすがに無理があっただろうか。  こんなこと言って、笑われて却下されると思っていたら、貴臣は俺の手首の拘束を解いた。 「自分が何を言っているのか、分かってるんですか……!」  切羽詰まったような声が聞こえた。  そして自由になった俺の手首が捕われ、導かれるままにきゅっと握らされたのは、生々しいほどに脈打っている熱いもの。貴臣の昂ったものだった。 「あっ……?!」  火傷しそうなくらいに熱い。  それは自分のよりも、少し大きい気がした。  まさか直接握らされるだなんて。  呼吸困難になりそう。 「すみません。実はずっと、兄さんの感じている姿を見て毎回こんな風になっていました。兄さんが悪いんですよ、どんどんエロい顔になって、エロい声を出して、俺を変な気分にさせるから」 「た、貴臣……」 「すみません、本当に。もう、我慢の限界です。俺も兄さんの、触ってもいいですか」 「えっ?!」  あっという間に、俺のペニスも貴臣の掌に包まれ、上下にしごかれた。  根元から先端へ、何度も何度も。  ずっとずっと、貴臣にされたいと思っていた行為。  予想していたよりも何十倍も気持ち良くて嬉しくて、すぐに達しそうになるのを堪え、俺もその動きに合わせるように貴臣のものを愛撫した。   「あぁ、すごく変態なことをしていますね、兄弟で」 「んっ……も、だめ……っ」 「もう? もう少しだけ頑張ってください。せっかくなら、一緒にイきましょうよ」  そんな風に言われても、体の内側からさざ波のように押し寄せる快楽に勝てる気がしない。  すぐにイかないように、貴臣の服の裾をギュッと掴んだ。  本当は、貴臣の顔が見たい。いまどんな顔して、俺に恥ずかしいことをされてるのか。

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