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第103話 義兄弟、秘密の……②*

「あ……っも、そればっか……や……」 「随分と感度良好になりましたね」  貴臣は満足気に言って、インナーを脱いで上半身裸になった。  無駄なものななく、引き締まった腹。シックスパック。  そんな体を見ただけでさらに欲情してしまう。 「自分で弄る練習はしていたんですか?」 「ん……っ、最近はしてなかったけど……っ、一応、何度か……」 「そうですか。えらいですね」 「でも……もう、練習は、必要ないよ、な」 「え?」 「だってもう……レッスンは、しなくていいわけだし……」  節目になって言うと、貴臣はくすくす笑って俺のトレーナーを脱がせ始めた。 「えぇ。自慰なんて必要なくなるくらい、これからは俺がたくさん気持ちよくさせてあげますし、ちゃんと愛してあげますよ」  ぶわ、と肌が粟立つ。  ばんざいをして、服を首から抜く瞬間に涙も一緒に拭いたのは内緒。  2つの尖りは芯を持ち、ピンと膨れ立っていた。  貴臣はそこに吸い寄せれるように頭を落とし、口に含む。  ちゅっと音を立てて啄んだと思えば、歯を柔らかく立てて舌先でコロコロと転がした。 「あぁ……っ……んなとこ……やだっ………」  やだと言いながらも貴臣の頭を両手でがっちり押さえつけているので、全然説得力はないのだが。  片方は口で、片方は指でいじめられる。  前歯で挟まれるとたまに痛いって思う瞬間もあるんだけど、それさえも快感に変わった。そこがどんどん濡らされると、股間のビリビリも強くなってくる。  ジンジンしすぎてどうにかなりそうで、勝手に腰を上下させて貴臣の膝にこすりつけていた。  貴臣は、ちゅっ、と音を鳴らして口を離し、下半身に目を向けた。 「あ、レッスンの成果が出てますね。俺の膝にいやらしくこすりつけて」  指摘されてハッとした俺は、腰の動きを止めた。 「してないっ」 「いいですよしても。俺は兄さんのどんな痴態を見ても驚きませんし、むしろかなり興奮します。ほら、自分で触ってみて」  手を掴まれ、体の中心に持っていかされた。  布に圧迫されて痛いくらいに膨らんでいるそれを、触ってみろと言うのだ。意図せず指が双丘に触れて、変な声が漏れてしまう。 「あ……っ、やだよ……っ、そんな……はずかし……」 「いやらしい顔を見せて。俺だけに」  頭が霞がかっていてぼんやりする。  膨らみを包み込んでいる自分の手を意識すればするほど、我慢なんてできなくなった。  乳首に刺激を与えられながら、自分の意思でゆっくりと、その手を上下にこすってみる。  弾力のある先端を指先で押すと、下着がじわっと濡れた感覚があった。もう少し強めに押すと、また。 「……ふ……ぁ、あ」  貴臣の胸への愛部と、自分の手による愛撫。  この状況が夢みたいで、快感に打ち負かされた俺は夢中で腰を振って手を動かした。 「あ……ん……っとま……んな……っ……ごめ……っ」 「ん? どうして謝るんですか?」 「こんなっ……おれ……っ、されながらして…っ変態……みたいにっ」 「大丈夫。そんな兄さんが可愛くて可愛くて仕方のない俺も、充分変態です」  はしたない自分をそんな風に言ってくれる人なんて貴臣以外にいない。   嬉しい。はやくちゃんと直に触りたい。  じゃなくて、触ってほしい。大好きなお前に。  恥もプライドも捨て、俺は貴臣の腕を持って見上げた。 「……わ……って。も……俺っ……1人で……してると、虚しくなるから……」  貴臣が好きすぎて、昔こっそり自慰をしていた自分。挙げ句の果てには聞こえるようにわざと声を出して、その姿を覗かせた自分。  自慰は気持ちがいいけれど、その頃の寂しい気持ちを思い出してしまう。  貴臣は鷹揚に笑んで、俺のズボンのウエストに手をかけた。  下着と一緒にずり下ろされると、待ちわびたように熱い昂りが勢いよく飛び出してくる。  その先端は妖しく艶めいて、下着はぐっしょりと濡れていた。  俺はかーっと赤くなった顔を両手で隠した。

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