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第124話 やっぱり言うよ*
貴臣は俺の膝裏を持って足を大きく割った。
体重をかけられると、秘密の箇所が晒される。そこに顔を近づけてまじまじと見られると、今までにない羞恥を覚えた。
「あっ、やだっ……そんなとこっ」
ふぅっと息を吹きかけられると、そこが勝手にきゅうきゅうと収縮してしまう。腰を浮かせて逃げようとしても、頭の上で両手が拘束されている限り逃げ場がない。
「なんでしたっけ……あぁそうそう、めちゃくちゃカッコイイ男子高校生に、どうされたんでしたっけ?」
今度はそこを、ペロリと舐められる。
かと思ったら急にじゅうじゅうと卑猥 な音が鳴り始めた。
襞 をなぞるみたいに舌先を差し入れられると、答えようと思っても喘ぎ声しか出せない。
「あ……っ、ぁっ……それ……っ」
「ん? ちゃんと答えてください」
「あっ……こく、はくされて……っ」
「どんな風に? 詳しく」
「あぁ……っ!」
粘膜を擦りながら入ってきた2本の指が、奥に届く一歩手前で止められて、そのまま上下左右にかき混ぜられる。
もっと奥へ届くように腰を捻ってみるけど、貴臣の片手が俺の体を押して抑制している。
もう少しで前立腺を触ってもらえるのに、触ってもらえないもどかしさ。
イキたいのにイかせてもらえない。ちゃんと言わないと、きっとこのままであると悟り、途切れ途切れに声を発した。
「肩……にっ、手を置かれてっ」
「で? キスをされそうになったと?」
「それは……嘘っ……嘘だからぁ……」
「大学でもいろんな男の視線を感じるっているのは、具体的にどんな? 名前は?」
「それもうそ……っ! そんな奴……いないからぁ……っ……だ、だめ……っイキたい……っ」
「いいところ、沢山こすってほしい?」
涙ながらにコクコクと頷くと、貴臣の指がずるっと抜けて、代わりに電動ディルドが音を立てて入ってきた。
そのまま上下に抽挿 を繰り返されると、水をかき混ぜてるみたいな音が部屋に響き渡った。
「あ……っだめっ……もっとゆっくりぃ……!」
「えぇ? もう、兄さんは注文が多いな。擦ってほしいって言ったじゃないですか」
こいつは楽しんでいる。
愉快そうに口の端を上げる貴臣を見るとはっ倒してやりたくなるけど、火照る身体は限界に近づいていく。
──何か、何か口を塞ぐもの。
ふと目に入ったのはオナってる時に使った、貴臣のボクサーパンツだった。
手を使わずにどうにか口に含むと、息苦しくてたまらないけれど声はきっと抑えられる。
じゅっ、じゅっと下肢 から響いてくる音から逃れるように顔を背けると、貴臣がはぁっと熱っぽいため息を吐いた。
「俺のパンツ咥えて悶 えているんですか? ほんと兄さんは、淫乱で最高ですね……っ」
貴臣の言葉にか、それともディルドを引っこ抜かれたからか、身体がゾクゾクっとなった。
代わりにディルドとは大きさも熱も違いすぎるものがそこに宛てがわられる。
屹立が中に侵入してきて、前立腺に届いた瞬間に白濁の液を飛ばしていた。
イッてしまったのに気付いているのに、貴臣はそのまま腰を上下させた。
「……っ! んん……っ」
「いけないことだとは思うんですけど、正直、兄さんがそうやって苦しそうな顔をして俺を見上げる姿、凄く興奮するんですよね」
「ん、ん──……」
「やっぱりたくさん、言ってもいいですか? いつでも貴方に会いたくてたまらないって。いつも、俺のことを思っていてくださいねって」
「ん……っ、ぅん……っ」
何度も首を上下させると、貴臣はニッと笑って、より激しい抽挿を繰り返した。
体の奥が燃えるように熱くなったのと同時に、俺も今日何度目かの欲望を吐き出した。
* * *
「あぁ。父さんから着信があったみたいです」
同じ枕に頭を乗せる貴臣は、ちょっとうんざりしながらスマホの画面を見つめた。
「早く連絡しろよ」
「もう寝てるでしょうから」
「無断外泊はもうすんなよ」
「いえ、一体誰のせいでこうなったと……」
「俺のせいだって言いてぇの?」
「……早く一緒に、暮らしたいですね」
「あともう少しじゃん。ていうかお前、そんなに勉強頑張んなくても大丈夫じゃない? 俺が受かってんだから」
「悪いですけど、兄さんの学部とは偏差値が違うんです」
「……あ、そ」
ムッとしながらも、未来の2人に思いを馳せてみた。
今よりも少しは大人になって、素直になっている自分がいたらいいな。
俺は瞼を閉じて、貴臣の体に引っ付いた。
☆END☆
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