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第7話
牛乳と卵の甘い香りがし、誘われるかのように目が覚める。
握られた腕を辿っていけば、スヤスヤと気持ちよさそうに眠る沙耶の姿が。
これだけで、昨日の出来事が嘘ではないのだと伝わってくる。
彼女を起こさない様ゆっくりとベッドを離れ、キッチンへと向かう。
「悪い……また、お前にやらせちゃった」
「気にしないでよ。それよりも、目覚めたら隣に梓がいて幸せだったよ……おはよ」
猫の様に甘えながら擦り寄る俺に、雅也はそっと甘い口づけをした。
(この生活が、いつまでも続きますように……)
これから増えるであろう、お揃いの物や3人の写真……。
俺たちの、普通とは少し変わった遅い新婚生活は、こうして幕を開けたんだ。
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