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第一章 出会いはクリスマス・イヴ
温かくきらめく、金色のイルミネーション。
賑やかに響く、クリスマスソング。
楽しそうに歩く、恋人たち。
そんな中を、楠 寿士(くすのき ひさし)は独りで歩いていた。
「クリスマス・イヴを、ボッチで過ごすのは初めてだな」
先月、恋人とは別れた。
というか、捨てた。
寿士より一つ年下の、大学2年生だった。
申し分のないルックスだったが、その性格がだんだん鼻につくようになってきたのだ。
寿士は、度の過ぎた『かまってちゃん』は嫌いだった。
一ヶ月も前からクリスマスの話をぐいぐい押してきて、ペアのプレゼントが欲しい、こういうのがいい、だのと毎日うるさく言い寄って来る恋人に嫌気がさした。
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