13 / 46

第13話 次の日は

次の日は朝7時に目が覚めた。 昨晩は寝る前に、透け透けのガラス張りの風呂に入れられ(勿論曇りガラスにしてもらった!)シャンプーからボディーソープもちゃんと使うようにと指示が入り、ドキドキ緊張しながら入った。 そのおかげで僕の全身から何とも言えないいい匂いがするし、髪の毛もあり得ないくらいサラサラしてる。 高級感ある匂いで慣れないけど、とってもいい香りだと思った。 朝ごはんは京さんが作ってくれた。 バケットにローストビーフとアボカドやトマト、ルッコラが挟んであって、マスタードソースもついてて豪華だしお洒落だ。 それにブロッコリーのスープが付いている。ハッキリ言ってこんな朝食見たこと無いし食べたことない。 「京さん……こんな……豪華で美味しそうなの朝から食べていいの」 「……ちゃんと食べなさい。きちんと食べないと桜の身体が持たない」 「はい。いただきます」 温かいバケットにかぶりつき、僕はその味を堪能した。 美味しい!パンもお肉も野菜も全部旨い!まるで夢みたいだ。 僕がここに連れて来られたのは、京さんが僕の血を吸いたいからで、完全に拉致られた立場なんだけど、まさかこんな美味しいご飯を食べさせて貰えるなんて考えたこともなかった。 美味しい……それは分かるんだけど、どうしても自分が贅沢している気がしてならないから気が引けてしまう。だって自分で稼いだお金じゃないし、何もしていない学生の俺がこんなご飯食べていいのだろうか。 だけど……うう……京さんが作ったスープも美味しいなぁ。 食べながら目の前に座っている京さんのことをチラリと見た。 整って顔立ちは美形で身長も僕よりも全然高い。こんなにカッコ良くて料理も出来るなら超モテそう。 「……何?」 「京さ……京って絶対モテそうだなって思って。カッコいいし料理上手だし。恋人いるでしょ」 「残念だけど、生憎今はそれらしいのはいないよ。後は……まぁそれなりにモテるけどね」 「やっぱり。好きな人とかいないの?」 「……うーんそう言われるとなぁ。美人は好きだよ」 「そうなんだ。余裕あるって感じだなぁ~」 「金もあるしね」 「京さん……京っていっぱい稼いでそうですもんね。じゃなきゃ朝からこんな美味しいサンドイッチ食べられない。最高上手いです」 「……」 贅沢な朝食を済ませた後、京さんの車で買い物へと出掛けた。

ともだちにシェアしよう!