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第2話

2 蘭は良くいえば華奢だし、悪くいえば薄い。 良くこんなに細い腕で喧嘩出来るなと思う事もある。 「慧、」 「ん、行くか?」 「うん。もう皆集まってるって」 皆って言うのは紫龍の幹部の事だ。 「相変わらず皆と仲いいね」 「なに?嫉妬してくれんの?」 「そんなんじゃないけど、俺は無理だからさ。」 蘭は別に人見知りってわけでもないし無口とかそういう訳でもない普通の奴だ。 こいつの容姿は周りに比べて飛び抜けて良い、だから周りは蘭に近づけないんだ。それを蘭自身は自分が、あまり好かれてないと勘違いしている。 その証拠にさっきだって、 「光城さんってほんっと綺麗っすよね!神野さんは一緒に居て緊張しないんっすか?」 「あ?なんで蘭といて緊張すんだよ。」 「だって俺だったらあんな綺麗な人に話しかけて良いのかって考えちゃいますもん!」 いつかこいつらと蘭も仲良く出来たらいいと思う。今のところ俺と幹部達しか蘭が話せる奴が学校にいないって言うのは寂しい。 まあ、俺より仲良くなるのはダメだけど…

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