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第1話
昔々、恐ろしい神に恋をした少年がいました。
神は干魃の際に行われる儀式で捧げられた美しい男や女を犯し、食べてしまうような恐ろしい神でした。
でも幼い日、覗き見たその儀式。
少年はその神に恋をしたのです。
あの日、白いベールに包まれたその美しい生贄は震えながら泣いていました。
生贄は美しい青年でした。
山のお堂に敷かれた真っ白な絹の布団の上に座ってまっているのです。
神が来るのを。
皆、次の日この布団が真っ赤に染まるのを知っています。
その布団に香油をかけ、残った肉片と骨を燃やすまでが儀式だからです。
「村のためには仕方ない」
村人達はそう言って、美しい青年達や女達に白いベールだけをまとわせ、神に捧げてきたのです。
そう、神がくらいつくせば、確かに雨はふりました。
少年はその神が見たいと思ったのです。
恐ろしい神を。
それは単なる好奇心でした
誰も気に止めてなどやらない子供だったから、お堂の屋根裏に簡単に忍びこむことができました。
天井の板の割れ目から、白い絹の布団の上で、ベールだけを纏った青年がむせび泣くのをじっと見ていました。
「あの人は神の花嫁になるんだよ」
そう教えられましたが、どう見ても青年はそんな良いものには見えませんでした。
青年の恋人だった男、青年の家族がお堂の外で泣き叫んでいるのもここに忍びこむ時に見ました。
でも、皆、泣きながらもこれを受け入れているのを不思議に思いもしました。
そんな悲しいなら止めればいいのに、と。
死に怯えた、ベールしか身につけていない青年が、恐怖から逃れるかのように自慰を始めたことも、不思議に思いました。
青年は白い指に性器を絡めこすり、もう片方の手は、舐めて濡らした指で後ろの穴を弄ります。
涙で濡れた顔が、快楽を必死でたどろうと、眉をよせていきます。
腰を浮かせ、背中をそらして行われるその行為に少年は見とれます。
思わず、自分の小さな性器を取り出して、真似して弄ってしまったのでした。
確かに気持ちがいい。
少年も、その感覚に溺れていました。
小さな指でわからないまま、後ろをいじりさえしました。
そこの感覚はまだわからなかったけれど、性器はピクンピクンと震え、硬くなっていきます。
青年は恐怖から逃れるように、声をあげ、自慰に乱れます。
濡れた性器。
後ろの指は増やされ、激しく擦られます。
ああっ
いいっ、いいっ
青年は叫びます。
誰かの名前を。
何度も呼ばれる名前は恋人のものなのか。
白濁を吐き出しても、まだその行為は終わることがありません。
まだ精通を知らない少年も、何度もその刺激に身体を震わせ、それでも飽きることなくそこを弄り続けます。
でも、それは唐突に終わりました。
ぱきゅん
奇妙な音が響きました。
何かが割れたような音。
そして、堅くお堂の戸は閉じられたままなのに、神が現れたのです。
神の姿に、青年も少年も、自慰を止めて、思わず見入ってしまいました。
美しい。
そう思いました。
少年は。
青年は悲鳴をあげていました。
神は異形でした。
少年にはだからこそ美しく見えたのですが。
青年には恐怖でしかなかったようでした。
神は白く輝いていました。
そして、その顔には目が3つありました。
長い長い手足は、脚は二本でしたが、腕は6本、三対ありました。
髪は炎のようでした。
3つの目に射抜かれ、青年は布団の上で声もなく震えます。
神の赤い唇が笑ったようにつり上がりました。
4本の腕が青年の手足をつかんで身体を持ち上げ、宙吊りにします。
そして、神は自慰の精液に汚れた青年の身体を見つめたのでした。
白いベールだけが、清らかで、青年の顔は恐怖にゆがみ、でも、怖がっているにも関わらず、いや、怖がっているからこそ、青年の性器はそそり立っていました。
神は笑います。
恐ろしく美しい声で。
ガチガチと青年は震えます。
少年はもう目をそらすことさえできません
「たすけてぇ・・・ゆるしてぇ・・・」
青年は泣きました。
まだ自由に動く二本の腕が青年の白い身体に伸びます。
神の美しい長い指は人間よりは片方だけで8本あることに少年は気づきます。
やはり異形でした。
その長く伸びる、人間よりも複雑に動く指が片方は胸に、もう片方は性器に伸びました。
そして性器に指は淫らに柔らかく絡みつきます。
胸に伸びた指は、右と左のどちらもの乳首をも片手でだけでそ摘み回し始めたのでした。
ひぃっ
青年の喉がなり、自由に動く首が反り返ります
性器と胸を同時に弄られます。
身体が大きく震えたのは、もう気持ちいいからだと少年は知っていました。
ああっ
いいっ
いいっ
恐怖から逃れたい身体は、快楽に溺れていきます。
コリコリに堅くなった乳首が押し潰されます。
そこで青年が感じているのがわかるのは、その度に性器がこぼて濡れるから。
濡れた性器をたくさんの指がこすり立てていきます。
複雑に淫らに、長く人間より多い指はからみつき、動くのです。
性器の先を擦られ、同時にしごかれます。
締め付けられ、撫でられます。
青年の腰が淫らに揺れます。
でちゃう・・・でちゃう・・・ああっ
青年は泣きます。
また白濁が吐き出されます
うそっ
いい、いいっ
混乱する青年の身体はもう神の顔に近づけられていました。
皮肉な微笑みを浮かべた神の唇が青年の唇とかさねられます。
性器も乳首も弄られたまま。
そして今はその舌が青年の舌を責め始めたのです。
青年の目からは恐怖は消えて、蕩けたようにその舌を受け入れて、自分からも絡めあうのがわかります。
何か、甘い蜜の味でもするのか、神の舌に青年は夢中です。
少年も自慰をしながら、それを見つめます。
少年も神の舌が欲しくて、唇を開き舌をつきだしますが、当然与えられません。
欲しくては欲しくて、わからないまま入れた後ろの指が入った小さな尻をふります。
舌は与えられませんでしたが、中にあるそこの存在に気付きます。
こすればたまらなく気持ち良い場所の存在に。
声を漏らしましたが、神も青年ももう、そんなもの木にしていなかったでしょう。
青年は布団の上にうつ伏せにされていました。
腰を高くあげさせられて。
神はその服を脱ぎ捨てていました。
その身体はやはり異形で。
でも、少年には美しく見えました。
その巨大な性器に恐怖を覚えはしても。
どこに入れるのかはもうわかってました。
だって、神が舐めて濡らしていたから。
青年はもう、喘ぎ泣くだけです。
その長い舌がどこまて入っているのか。
どう動いているのか。
ああっ
気持ちいいっ・・・気持ちいいよぉ
青年の声が少年の殺せない喘ぎ声を消し去ります。
何度となく身体を痙攣させ、淫らに尻をふり、青年は声をあげるのでした。
いいっ
すごいっ
ああっ・・・たまんない
おそらく、お堂の外で青年の恋人もこの声を聞いているはずです。
泣きながら。
少年も、精通のない絶頂を繰り返しながら、性器と後ろの穴を弄りつづけます。
脳が焼き切れそうです。
神は舌を離し、そしてその巨大な性器をそこに押し当てました。
乳首を尖らせ、性器をそそり立たせたままの青年は、喜んで腰をふりました。
挿れてぇ
挿れでぇ
泣いて求めます。
少年にはわかります。
終わらせて欲しいのです。
恐怖も快楽も、何もかも。
神は笑いました。
神は貫きました。
そこからは、もう、甘さはどこにもありませんでした。
神の性器は青年の腹の外まで貫きました。
でも、青年はもうすっかり薄くなった白濁をそそり立たせたそこから迸らせ、身体をしならせます。
「もっとぉ!!」
腹から神の性器を飛び出させながら青年は叫びます。
さすがに少年はおびえました。
これは、これは。
もうセックスなどではない。
でも、青年にも神にも、これはセックスなのだとも理解しました。
神は笑いながら何度も大きく動きます。
気持ちよさそうに。
そのたび、腹を性器が突き破っていきます。
血を迸らせながら、それでも青年も性器をそそり立たせ、何度でもそこから迸らせるのです
貫かれた腹から、長い腸を零していきながら。
気持ちいいよぉ
気持ちいいよぉ
青年は叫びつづけます。
破かれた腹から、金色の神の精液がほとばしった時、青年は絶命しました。
神は優しく青年の髪をなでた後、まだ串刺しにしたまま、頭から青年をかじり初めました。
骨の砕ける音。
肉の千切れる音。
飲み込む音。
啜る音
神は、セックスと同じ位丁寧に青年を食べ尽くしました。
食べている時にらは、あの皮肉な微笑は消えて、優しいとさえ言える微笑みがそこにありました。
セックスと同じ位提供に。
セックスよりも優しく、補食は行われたのてした。
少年はそれを、それを、呆けたように見つめたのです。
わずかな肉片以外のすべてを神が食べ尽くすのを。
神は消え去った青年の代わりに、赤く染まったベールに口付けし、消え去ったのでした。
ベールだけを持って。
まるで愛しい花嫁を連れ去るように。
捧げられたい。
少年はそう思ったのでした。
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