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「はぁ…っん、」
牧野を横抱きにして、広瀬は深くキスをする。
牧野は瞳をとろけさせて、大人しく広瀬からの口づけを受け入れていた。
くぐもった吐息の間に熱の篭った喘ぎがお互いの口から漏れ出る。
「ちゅ、ふんん…っ」
舌を絡める程にどちらのものともわからない唾液が甘く身体を痺れさす。
牧野は心臓がどきどきして、幸福感に背筋を震わせた。
キスだけでもうこんなにも感じてしまうなんて、薬の効果だけじゃない、きっと広瀬が相手だからだ。
きゅんきゅんと身体が喜んで、牧野は知らずの間に太股を擦り寄せていた。
それに気付いて広瀬がそっとそこに手を伸ばす。
「ぁ、ひゃ…っ!」
広瀬の手がそこを柔く握り込むと、ちゅぱっと唇が離れ、牧野が背を仰け反らせた。
「牧野…ここ一回射精した筈なのに、またこんなに固くなってる」
「んんっ、ああ、や…」
「先っぽいっぱい濡れてるし…ほら」
「ん、ん、っだめぇ…ッ」
完全に勃起した牧野の、ぬるぬるの先端を虐めるようにぐりぐりと親指で刺激すると、ぷくりとまた先走りが溢れてくる。
それを塗り込むように広瀬の手が上下に扱くと、牧野が湿った声を上げていやいやをするように首を振った。
「そ、れぇ…っすぐイっちゃ、っからやだ…」
すっかり発情して、はあーっはあーっと熱い息を吐きながら困ったように広瀬を見つめる牧野。
そんな痴態を目の前で見せられ、広瀬はごくりと喉を鳴らす。
「じ、じゃあ…こっちは?」
恐る恐る股座の奥、尻穴に指を這わすと、そこは広瀬から与えられる快感に反応していて、ひくひくと収縮を繰り返していた。
「ひゃ…!へ…お尻…?」
「ここ、解さないと…その、挿入出来ないから…」
広瀬の言葉に唯でさえ赤く染まった牧野の顔が更に色づく。
だが驚いているだけで嫌がってはいないらしく、その目にはほんのりと期待の色が見てとれた。
「で、でも、汚い、よ…」
「全然、汚くなんかない、から…」
「…っ、わかった…」
小さく頷いた牧野に、広瀬はちゅっとその額にキスをした。
そしてチェストに入っていたローションを手に取って、尻穴を解すようにくるくると円を描くように塗りつけた。
「ふ…っ、ん…ぁ、」
「牧野、気持ち悪くねーか?」
「大丈、夫…なんか、くすぐったい…ふぁ、ぁっ」
身体から力が抜けたことでそこも緩み、広瀬は中指をほんの少し挿入させてみた。
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