42 / 110
21
犬飼は猫宮の中の感触を確かめるように、ひくつくそこを指全体で何度も撫でた。
くっくっと引っ掛けるように動かすと、途端に猫宮の背が大きくしなる。
「ーっぅんんんッひああ…っ!」
ちゅぽんと犬飼のものから口を離し、耐えるように背を丸める猫宮。
はーはーと甘い息を吐くその姿に、自身の指が猫宮の一番イイトコに触れたのだと犬飼は理解した。
「…先輩、ここ、気持ちいいんですか?」
「ひゃッ、だ、だめ…ぇ」
指の腹でこねるように快感のスイッチとなっているそこを弄る。
一層高く、甘くなる猫宮の声に下半身が重くなった。
「はっ…あ!そこだめってぇ…ッや…」
先程とは違い余裕のない様子で犬飼を止めようとする猫宮。
その力の入らない僅かばかりの抵抗は、かえって犬飼の興奮を煽るものだった。
「すごい…先輩のこことろけてるのに、吸い付いてくる…」
「ひ、ぁあ!」
二本の指で同時にくりくりと小刻みに刺激すると、猫宮は耐えれないといった風にシーツに顔を埋め、手の甲を口元に押し付けた。
「ふ、ァっんんーーッ…!」
ビクッビクッと身体を麻痺させ、猫宮は絶頂に達した。
快楽の余韻に浸り瞳をとろんとさせている。
上気させた頬に、じっとりと首筋に伝う汗が色香を振りまいていた。
「先輩…」
犬飼がゆっくりと指を抜くとそこは切なげに収縮を繰り返し、こぷりとローションが溢れ出た。
未だ犬飼の上に跨ったまま脱力する猫宮がん…と艶めかしい声を上げる。
「先輩…可愛い」
犬飼は猫宮をベッドに寝転がせると、こめかみやおでこなど顔中にキスをした。
「先輩…好きです、好き…」
何度も繰り返し言葉にしながらキスの雨を降らせると、猫宮が困ったように眉を下げた。
「…こんな、媚薬でとろとろになってるのをいいことに、強引に迫ってえっちなことする奴だよ…?」
猫宮の言葉に犬飼は首を傾げた。
何か身体がおかしいと思ったらどうやら自分は薬を盛られたらしい。
多分さっき浴びたあの霧がそうなのだろう。
犬飼は自分の身体に起こった現象に納得した。
「そんなの関係ないです…っ俺はどんな先輩も大好きです!」
まだじんじんと身体に熱が篭っているせいか、はたまた頭がくらくらするせいか、あまり考えもせず思ったことを口走る犬飼。
ともだちにシェアしよう!