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「んんっ…!?」
塩谷のまさかの行動に驚いて硬直していると、ぬるりと口の中を生暖かいものが侵入してきた。
それは塩谷の舌で、無遠慮に入り込み佐藤の舌を舐め回す。
佐藤はカッと顔を赤くさせると両手で塩谷を押し退けようとした。
だが塩谷の力は強く、体格差からも簡単に防がれてしまう。
「んぐ…ッちゅ…んむ、ぁ…っ!」
身体全体で押さえ込まれ、頭を固定されて、好き勝手に口内を犯される。
ガチャガチャと顔に当たる眼鏡が痛かった。
熱い舌がぬるぬると這い回り、上顎をなぞられると身体がゾワゾワした。
「…ッふ、ぁ…んむ、」
横暴で乱暴なキスに頭が茹つ。
呼吸も曖昧で、震える手で塩谷の服を握り、佐藤は段々と身体に力が入らなくなっていた。
柔らかい舌が己のに絡まる度に、瞳をトロンとさせ、無意識に腰をくねらせている。
そうしてしつこいぐらいに佐藤の唇を堪能した塩谷が口を離すと、佐藤はぐったりとベッドに沈んだ。
長いキスに身体が火照り、全身がじんじんと疼く。
「はぁ…はぁ…ふ、…っ」
荒く呼吸を繰り返す佐藤に構わず、塩谷はベッドに投げ出された両足を抱えた。
太腿を支えるようにしてぐっと押し上げられ、あらぬところが露わになる。
ぼうっとしていた佐藤だったが、とんでもない体勢にさせられたことに気付き声を上げた。
「やっ…!やめて、下さいっ!…ひゃ…ッなに、?」
先程の行為のせいで下着も身につけていないお尻に硬くて熱いものが押し付けられる。
それはローションの滑りを借りてぬらぬらとお尻の割れ目を何度も擦り、ひくつく尻穴を引っ掛けるようにされ、思わず佐藤の口から甘い声が上がった。
「やぁ…っ、し、おたにさ…ま、まさか…ッ」
目線を下に向けると、塩谷が膨張した性器を佐藤のお尻に押し付けているのが見えた。
煽りに煽られた塩谷のそれは反り返る程準備万端で、佐藤の中へ挿入されるのを今か今かと待っている。
佐藤は悲鳴を上げて必死に腕を突っ張らせた。
暴れた拍子に塩谷の眼鏡に手が当たり、ガシャン!と眼鏡が飛んだ。
「あ…、す、すいませ…ッ」
反射的に謝罪する佐藤。
動揺しながら塩谷を見上げると、前髪と眼鏡でよく見えなかった表情が露わになっていた。
目と目が合う。
佐藤は息を飲み、ほんの一瞬抵抗が弱まった。
その隙をついて塩谷はぐっと一気に腰を進めた。
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