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第142話※R18
帰りも船。
乗船前に土産物売場でお菓子やメロンを買って、漁港では海の幸を買ってそのまま発送してもらう。(メロンも発送にした)
大家の池波と凪の実家とドイツ料理店の夫婦宛だ。自分たち用には紅葉のお菓子しか買っていない。
どうせ池波が「食べきれないから半分持っていけ!」と連絡を寄越すのが分かっているからだ。
最後にまたラーメンを食べて船に乗り込む。
ドッグスペースで平九郎を遊ばせたり、同じ船の犬連れの人と話したり…
年の離れた男同士でしかも1人は外国人(1/4日本人だけど)…2人の関係を聞いてくる人は今までもほとんどいないがごくたまに話の流れで聞かれたりする。(向こうが家族連れだったりすると自己紹介の流れで)
散歩の時などは「同僚なんですよ。」の一言で済ませるが、観光地でその回答は少しおかしい…
仲が良くても職場の同僚(そもそも同じバンドメンバーでも同僚と呼ぶのかはちょっと疑問だが)と犬連れで船旅はないだろう…。
深く聞かれたりした時は、凪は質問で返すようにしている。
「どういう関係に見えます?
ご想像にお任せしますよ。多分…それで合ってるんで(笑)」
紅葉は単語を繋ぐ。
「仲良しなの。大好き…平ちゃん可愛いでしょ!」
凪のことなのか、平九郎のことなのか曖昧な感じで相手の捉え方に任せているのだ。
部屋では引き続きラブラブの2人…
凪はまたヤり過ぎるとダメだから、とキスと、紅葉が我慢出来なくなるもちょっとイチャイチャ…する感じで長い時間を過ごした。
「なぁに?
また映画?」
ノートPCを開く凪に抱き付く紅葉。
凪は紅葉を抱き寄せると足の間に座らせ、一緒に画面を眺めた。
「紅葉さ、乗馬好きだから東京でも出来るとこあるかなぁって探してた。
ほんとは田舎で暮らした方がお前はリラックス出来るんだろうけど…、この仕事してると難しいからさ…。学校もあるし…。
でも趣味でたまに行けたらリフレッシュ出来るんじゃね?」
「凪くん…っ!ありがとっ!」
紅葉は凪を振り返ってギュッと抱き締めた。
「でも…お馬さん…高い…。」
「確かに…(笑)」
都内で乗馬を習おうと思うとかなりの金額になりそうだった。
凪はそれでもやりたいなら…と勧めてくれたが…
「ドイツに帰ったらタダだからこの金額は出せない…。乗馬を上手になりたいわけじゃないし、たまに観光地で乗れたら十分だよ!
それよりキャンプに行こうよ!
凪くんと平ちゃんと一緒の方がいいな。」
凪は笑顔で頷いてキャンプ場を調べ始めた。
「ガンガン働いて貯金して、次はドイツに行くぞ。」
「うん、約束…っ!」
紅葉は子どもっぽいかな?と言いながらも凪と小指を絡めて指切りの約束をした。
仙台で牛タンと萩の月を買って、東京の自宅へ戻る。
「凪くん運転お疲れ様でした!
休んでて。
僕が晩ごはんを作りますっ!」
「ありがと。何作るのー?」
凪は部屋の換気をしながら紅葉に聞いた。
「カレーですっ!」
買ってきた牛タンを食べるのかと思いきや、キャンプの話をしてから紅葉の頭の中はずっとカレーだったらしく(笑)
材料はあるので任せることにした。
「解凍ボタン…これだっけ?」
「そう。」
肉を解凍して、野菜を切っていく紅葉を眺めながらコーヒーを飲む凪。
平九郎も長旅に疲れたのか、ダランとしている。
凪は平九郎用の鶏肉も解凍するように紅葉に言った。
「平ちゃんも贅沢してたから…鶏肉食わなかったらやだね。」
「そーだな…。ってか、平九郎が一番太ったと思うぞ?(笑)」
「そーかな?僕もヤバイ…。衣装入るかな…。」
「触った感じ、大丈夫だと思うけど?」
「そんなこと分かるの?! …えっち…っ!」
笑いながらコーヒーを飲んで少し休憩した凪は、光輝に預けた楽器を引き取りに行く。
「ありがとう。よろしくお願いします!
美味しいカレー作っておくからね!」
張り切る紅葉だったが、凪が帰宅し、楽器を運び込んで…さぁ、夕食を食べよう!と炊飯器を開けると米が炊かれていなかった。
「Oh my got…!! スイッチ入れ忘れた…っ!!」
思わず英語が出るくらいショックだったらしい…(笑)
「さすが紅葉だよな~(笑)」と凪は怒るどころか笑っていた。
「早炊きにすれば20分くらいだよ。」
切り替えてすぐに炊飯のスイッチを押す凪。
「凪くんのそういうとこ好き…。
でも僕もうお腹すいた…っ!」
「よしっ! 何か摘まめるもの作るから待って。」
結局凪が作ってくれるらしい…
紅葉はわくわくと凪の手元を覗いた。
材料がないと言いながら、あっという間に人参と白滝のきんぴらを作ってくれて、絶品の一品を2人で摘まみながら白米が炊けるのを待った。
「あっ、あ…っ、ん…っ!
凪くん、疲れてるんじゃなかった?
腰、痛いって…!」
「ずっと同じ姿勢で運転してたからなー…。
今運動して治してる…(笑)
うそ…。 愛し合ってる、だな。」
「ん、んっ!
や、ぁっ…!ぁん…っ」
「船もホテルもいいけど…
家が一番落ち着く…な?」
「う、ん…っ!は…っ!
あ、そこ…っ、ダメ…っ!」
「ん? ここ?」
紅葉の弱いところを強弱をつけて突いていく凪…。
背中に回された恋人の腕に力がこもっていくのが分かる…。
「あーっ!! んー…っ!」
「…気持ちいいね?」
「ん…。あ、好き…っ!」
「ふ…っ、俺も…。
明日からまた忙しくなるけど…よろしくな?
ファイナルも目前だし…頑張ろう、一緒に。」
「うん…、頑張る…!」
「とりあえず明日朝イチ練習?だな。
そのあと紅葉ヴァイオリン、俺買い物、午後からみんなで音合わせだからな。」
「ん。分かったぁ…。ぁっ!あ…っ!」
「…そろそろイこっか…っ!(苦笑)
俺も限界…っ!」
「アッ…ーっ!!」
「紅葉…、愛してるよ。」
End
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