「っふ……」 　男に咥えられた藤次郎の亀頭から蜜が流れる。 　男は美味そうにそれを飲み、堪能すると、次に太腿の間に顔をずらし、後孔を舐めはじめる。 　締まりの良いその後孔は男の舌を受け入れた。 　じっとりと中を濡らされ、藤次郎は悩ましいため息をこぼす。 　男は舌を引き抜き、魅惑的な後孔に三本もの指を挿し入れた。 　いくら唾液で潤されたとはいえ、ひと息に三本も挿入されればたまったものではない。 　藤次郎は痛みを感じるものの、しかしそれさえも堪らない。 　腰を揺らせば、反り上がっている陰茎から蜜が流れて内壁をまさぐる男の太い指を濡らす。 　男は空いた手で自らの陰茎を取り出した。 　太腿の間にあるのは、藤次郎よりもずっと太くて大きな男の陰茎だ。 　藤次郎はそれに手を伸ばし、顎が外れんばかりに口を開け、口淫する。 　男は藤次郎の口内の心地好さに喘ぎ声を漏らす。 　藤次郎の後頭部を掴み、喉の奥へとひと息に陰茎で貫いた。 　藤次郎は喉を絞め、男を惑わす。 　男はくぐもった声を出しながら藤次郎の頭を動かし、口の中で深い抽挿を繰り返させた。 　藤次郎もまた、太い陰茎から注がれる蜜を吸い尽くさんばかりに飲む。 　しかし、男はその行為を許さなかった。 　藤次郎の口から自ら陰茎を取り出す。 　すると藤次郎の美しい顔に男の蜜が降り注ぐ。 　その姿がまた一段と艶めかしい。 「藤次郎、ああ。藤次郎！！」 　藤次郎の引き締まった腰を持ち上げ、後孔へ陰茎を貫いた。 　陰茎は楔と化し、藤次郎の締まりの良い肉壁を押し分けて刻む。 　男の楔全体で藤次郎の肉壁を擦り、凝りに触れる。 　前立腺を刺激された藤次郎はいっそう身体をくねらせ、屹立した陰茎から蜜を放つ。 　しかし、男は達した藤次郎を手放しはしない。 　未だ屹立を保ったままの楔を幾度となく打ち付ける。 　藤次郎は先ほど達したにも関わらず、ふたたび身をもたげる。 　だが、一度達した彼の屹立する亀頭から流れ続けるのは小水だ。 　淫らな身体に興奮した男は、とうとう藤次郎の最奥目掛けて白濁を流し込む。 　しかし、男の熱い迸りはまだ治まりそうにない。 「ああ、止まらないよ藤次郎。困ったなぁ、お前が孕むまでずっとこのままだねぇ」 　困ったと言いながらもそんな素振りはない。 　にやりと笑う男は滑った分厚い唇で形の良い唇を塞いだ。 　薄い唇をこじ開けると舌を忍ばせ、藤次郎の舌とを交える。 　二人は腰を揺らし、ひたすら肌を感じる。 　淫猥な水音とくぐもった声。 　尽きることのない欲望。 　藤次郎は差し出された分厚い唇を貪る。 　今、藤次郎の腹には自らが放った精で膨らみを増している。 　男は情交前とすっかり変わり果てた藤次郎の腹を撫で、にやりと笑った。 「んっ、っふ……。あんたも俺も、すっかり道を踏み外しちまった。ろくな死に方はしねぇだろうねぇ」 　藤次郎は赤い舌で、男が自分の顔にぶちまけた精を美味そうに舐め取ると、自ら男の分厚い唇を塞いだ。 　薄い唇に笑みを浮かべ、快楽に身を堕とす。 　しかし、男は気づかない。 　藤次郎の切れ長な目の奥に潜む鈍い光を宿していることに――……。 　―主・完―