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結⑧
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「雨花様!雨花様!」
あげはの声で、ふっと目を開けた。
「良かった。無事に戻りましたね」
あげはは、オレの体を起こしてくれた。
「どうでした?不安、なくなりましたか?」
あげはが見せてくれた、少し年をとった、オレたち……。
「……早く、追いつきたいな」
「え?」
ふふっと笑って、あげはに『うん。もう大丈夫。ありがとう』と、お礼を言った。
「あ!オレ、新年会に戻らなきゃ」
「そうですね」
あげはに見送られて、大広間まで急いだ。
……無性に、皇の顔が見たい。
今夜も皇、きっとオレのところに来る、よね?そしたらさっき見たことを話して聞かせたい。皇もきっと、オレと同じように思うよ。早く追いつきたいなって……。
あげはに見せてもらった未来のオレたちは、自分で言うのもなんだけど……穏やかに手を繋いで笑い合ってて……すごく……幸せそうだった。
あんな風にこの先オレは……皇と二人で、一緒に年を重ねていくんだ。
この鎧鏡家のことだから、きっとまだ、色んなことが起こると思う。
だけど……。
その先に、あんな幸せな未来が待っているのなら……。
「……」
あの未来の二人に、早く追いつきたい。
そう思った。
幸せそうに笑い合ってる、”殿様”とオレに……。
fin.
あとがき
この長い長ーーーいお話を、ここまでお読みくださった皆様、本当にありがとうございました!そして、お疲れ様でした笑
無事、うまいこと題名回収出来ておりますでしょうか(*´艸`*)
あ、ちなみに最後の章の題名は『結』なのですが、先にその題名を出しちゃうと『ああもう終わりなのねー』と、丸わかりなのでw最後のページにだけ、題名を入れてます。
このお話、別サイトにて、7年かけて完結させたものを、手直ししながらこちらで更新して参りました。
そちらのサイト様から、こちらでも応援してくだされた皆様に、重ねて言わせてください!本当にありがとうございました!
お約束しておりました番外編の新作、ちょこちょこ出していこうと思います!でも新作なんで、また亀更新になっちゃうかも…(^o^;
またまた気長にお待ちいただけますと幸いです♡
この二ヶ月弱、雨花と皇を再び愛でる時間を過ごせて、すごく幸せでした(*´艸`*)
このお話を読んでくださった全てのみなさまに……最後にもう一度!本当にありがとうございました!
2020/07/17 らぶら
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