54 / 164

♯5 ワルツ〝記念日〟8

 もう一ヶ月も経っていたのか。  真雪から食事に誘われ、車で送ってもらったつもりが、目覚めたらここに監禁されていた。あの悪夢のような日から、もう一か月も経っていたなんて…。 (ここに来てから、じゃない。 おまえがおれをここに閉じ込めてから、だろう⁉)  そう言いたいのに言葉が出ない。  ショックが大きすぎて、言葉にならない。  バスルームで排尿されるところを見られたり、つながったまま食事をしたり、真雪に挿れられた状態で自慰をしたり。屈辱の記憶がフラッシュバックする。  裸で食事をして、真雪にさんざん襲われて、眠って、起きて、真雪の作ったごはんを食べて、真雪にさんざん犯されて、また眠る。  一か月も閉じ込められていたことだけでなく。  そんな日々が日常になっていたことに愕然とした。  今だってそうだ。  裸で食事をし、クリームまみれにされ、カラダのあちこちを舐め回されて喘ぎ、挙句の果てには幼馴染である真雪の性器を口に含んでいた。  こんなのおかしいことなのに。異常なことなのに。  ショックを受けて固まっている桜也の足を、真雪はやすやすと持ち上げる。 「さあ、下のお口でも、クリームと僕のをいっぱい食べて…」 「ちょ、っと待って、真雪、……っあああん!」  生クリームを潤滑油がわりにして、真雪は中に入ってくる。  桜也の動揺と葛藤なんて置き去りにして。

ともだちにシェアしよう!