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♯6 スケルツォ〝転調〟7

「な、にこれ…」 「コックリングだよ」  輪っかの形をした、シンプルなコックリング。  伸縮性がある、やわらかいシリコン製のものだ。  まだふにゃふにゃな桜也のものに、緩くコックリングを取り付けてから、いつものように耳たぶや首筋、乳首や横腹を、手のひらや唇で愛撫し始める。 「……! 真雪、これ…!」  勃起し始めた事で、ようやく彼も気付いたらしい。  このリングが射精を拒む役割を果たしているということに。 「真雪、やだ、これ…!」  リングを取ろうと、桜也は手を伸ばす。  その両腕にガシャンと手錠をはめ、ベッドに押さえつける。  腕には手錠。性器にはリング。  いつもよりアブノーマルな光景に、ぞくぞくと劣情が込み上げてくる。 「今日は中だけでイってみようね、桜也」 「そ、んなこと、できるわけ、な…!」  桜也は首をふって拒否しようとするが、真雪は構わず、ズボンとパンツを脱ぎ捨て、桜也に覆いかぶさった。

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