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♯6 スケルツォ〝転調〟6

 真雪は無言で席を立ち、部屋の隅にあるチェストの引き出しを開ける。  その中にはローションをはじめ、さまざまなアダルトグッズが収納されていた。  桜也はあからさまなアダルトグッズを嫌がる。  だから今まで、あまり使用したことはなかった。けど…。  今日は、今日だけは…。  桜也の食事が途中なことも承知で、桜也を抱きかかえ、ベッドに運んで押し倒す。あおむけにした桜也の瞳を見つめ、真雪はどうにか感情を抑えながら言った。 「桜也、ごめんね。今日、僕、イライラしてるんだ。桜也のせいじゃないよ。気の利かないマネージャーのせいで、ね…」  無理やりに笑顔を作り、真雪は言った。 「だからさ、気分転換に、……桜也のイキ顔、いっぱい見たいな」 「え…?」  返事も聞かず、真雪は桜也の脚を開かせ、どぼどぼとローションを落とす。   「ちょ、っと待って、まゆ、き……、っや…!」  閉じようとする桜也の脚。  構わずこじ開けると、真雪は手に持っていた何かを、桜也のカリ首のあたりに装着した。

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