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♯12〝子犬のワルツ〟7

「ま、ゆきぃ、もう…、あ…っ」  桜也の穴はびくびくと開閉をくり返す。物足りない、あれが欲しいと訴える。あとは、桜也に羞恥を捨てさせるだけだ。 「どうしたの? どうしたいのか言わないと分かんないよ」  桜也を煽りながら、穴の周辺を拭き掃除をするように舐め、ふうっと息を吹きかけた。濡れた部分に息がかかり、冷たさが刺激になる。桜也は「ふあっ」と声をあげ、シーツに顔をこすりつけてから、観念したように言った。 「…ま、ゆきの…、ここに挿れたい…」  言葉にしたとたん、桜也の体から力が抜けた。  穴がひくひくと収縮をくり返し、ふるふると尻たぶが揺れた。 (欲しがっているんだ、この僕を…)  歓喜と興奮で今すぐぶち込みたい衝動を必死で抑え、真雪はベッドにあおむけに横になった。桜也が挿れやすいように足を広げて膝をたて、ほほえみながら優しく「おいで」と呼ぶ。  桜也はひざだちで移動し、真雪をまたぐ。真雪の熱い視線から目を逸らし、後ろ手で真雪のものをつかむ。  そして真雪の亀頭を、自分の穴に押しつけた。  そのまましばらく動きを止めていた。最後の理性があまりの体勢に羞恥を訴えていたのだろう。だが理性の抵抗も虚しく、桜也の後孔は快感を期待し、ひくひくとうごめき、先端を飲み込もうとしている。  意を決した桜也は、真雪のものをそっと挿れ始めた。唾液で濡れた穴はすんなり真雪を受け入れ、二人はひとつになっていく。

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