164 / 164

♯12〝子犬のワルツ〟11

「ああ、だめぇ…、そんなことされたら、おれ、もう…っ」 「安心してよがり狂ってよ、桜也」 「あん、あ…っ、ああん…」  真雪の頭を胸に押しつけながら、なまめかしく腰をふる桜也。  動くたびにぐちゅぐちゅと体液が混ざり合う音がする。上からも下からもよだれをこぼしながら、桜也はあまりに唐突に叫ぶ。 「まゆき、すき…っ!」  心の中に湧き上がる歓喜。だらしなく口元を緩ませて、あえて意地悪く問う。 「僕が? それとも僕とのセックスが?」 「どっちもぉ…! ああん、きもちい…、また、止まんなく、なっちゃうよお…っ」  あまりのかわいらしさに思わず達しそうになり、桜也の乳輪に吸いついてぐっと我慢した。桜也の嬌声を聞きながら射精を堪えるという、新たな性癖ができてしまった。苦しいがクセになりそうだ。  絡み合う二人の『子犬のワルツ』。  それは鳴りやむことなく、部屋に響き続ける。    空が白むまで。二人がお互いにすべてを捧げ尽くすまで。

ともだちにシェアしよう!