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第20話
あれから1週間。
蓮が全く触れて来なくなった。
SEXはおろか、キスさえもして来ない。
寝る時は相変わらず一緒のベッドに寝てるのに、抱き締められて額に軽くキスをされて終わり。
抱き締めて来る蓮の香りにウズウズするのに、何もして来ない。
最初は「ラッキー」って喜んでいたけど、段々不安になって来た。
他に蓮が変わったことは……無い(筈)
ただ、蓮が僕に触れなくなっただけ。
その日の夜、寝室へ先に行こうとすると
「ハル…」
って呼ばれた。
(ほら、もう限界だろう!)
そう思って振り向くと
「俺、今日から別に眠るから」
と言われた。
「え?」
驚いて呟くと、蓮がにやりと笑って
「全面解除なら、寝てやっても良いけど」
って言って来た。
僕はムカっと来て
「結構です!」
と叫んで部屋へと戻る。
あんな言い方、僕が我慢出来ないみたいじゃないか!
苛々して、ベッドに潜り込む。
でも、苛々が落ち着いて来ると、いつも隣にあった温もりが無い寂しさを感じてしまう。
いつも蓮が入り込んで来ると、「狭い、狭い」って文句を言っていたシングルベッドが広く感じる。
寝返りを打ってドアを見つめる。
冷たく閉ざされたドアが、蓮と僕の心の距離みたいに感じてしまった。
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