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第7話 愛

【久我山探偵事務所、兼便利屋】 部屋の奥でPCをポチポチ江口類は弾いていた 類は経理や事務的な事をやっていた そして時々…… 迷い猫の捜索もする だが久我山は 「類、おめぇが迷子になるから止めとけ……」 と冷たい 結局は久我山が捕獲するんだけど…… 一回くらい捕まってくれても良いじゃん……と類は思う 浮気の調査では……ものの見事に……尾行になってなくて…… 探偵事務所の方の仕事は手を出さないと約束させられた ならば、便利屋の仕事を…… と想ったが…… 中々手強かった 類と久我山と城崎はそれなりの大学を卒業した 城崎は大学の頃に書いた小説で賞を貰い、今や押しも押されぬミステリー作家様になった 久我山は賞を取るまで城崎が小説を書いてるなんて知らなかった 「……まさか……おめぇが作家様かよ……」 毒づき酒を飲む 「あの探偵シリーズはおめぇがモデルだぜ」 城崎は笑う 「なら探偵のドジな助手は類かよ」 「当たり!」 類もチビチビ酒を飲む 3人は、あと少しで30を目前にしていた 城崎は離婚と再婚を繰り返し 最近また離婚した 久我山と類は、類のマンションに事務所を持つ、地元では結構有名な探偵事務所であり便利屋だった 類が大学を卒業する年に、マンションを建て替えした もっと機能的なマンションにする為だった 久我山は後一つマンションを建てていて 建て替えしている間は住民はそのマンションで過ごした マンションが建って総てを貸しに出していた マンションの収入だけで食べていけなくはない だが久我山は今まで稼いだ経験値をフルに使って便利屋と探偵事務所を経営していた 城崎は類のマンションの最上階に久我山達と一緒に住んでいた マンションの最上階には類と久我山と城崎の部屋が入っていた 何かにつけて類んちに来て城崎は飲む 愚痴だったり惚気だったり 様々だが、昔ながらの悪友として城崎琢磨は久我山の側にいた 類は久我山と生活する様になって、どもりはなくなった 久我山に言われた通り前を向いて話す 身躯も少しだけ育って肉付きが良くなった 「なぁ類」 「何?城崎君」 「おめぇ、少し育ったな」 「そうかな?」 「確実に育って艶めいてるな おめぇの事を好きだと、うちのスタッフのイケメン君が言ってたぜ」 「なら城崎君のスタッフには逢わない様にしなきゃ!」 類は笑いながら答えた 「交際申し込まれたりしねぇ?」 「何かね、最近多いね 目が悪くなってるのかね?」 艶めいて、輝く類は美人と呼べる容姿になっていた 笑う顔は、逢った人全員に癒し系と言われる 側にいて欲しい安らぎを持った美人 とまで言われていた 本人は出会った頃と変わりなく、自分には無頓着だったけど…… 「慶一は大変だな…」 城崎が苦笑する 「俺のだからな! 誰にも手は出させねぇよ」 久我山はそう言いグラスを空けた 「最近さ、類を誘きだす様な依頼が多くてな バイトを雇う様になったんだよ! 類とお知り合いになりたい……とマンションに通うストーカーも出たりしてな… 困ってるんだよ」 「………あらま……相手は男か?」 「男もいれば女もいる 誰が解ってくれなくとも類なら解ってくれる……側にいてくれる……と信じて止まない奴が類にストーカー働いてる」 「今もいるのか?」 「全部排除した 二度と類の前には現れねぇよ もう類は受け付けにも入れてねぇしな 類は事務所で事務全般やらせてる 迷子の猫を探しに行って拉致られて……ヤバかったからな… 類には発信機着けてある」 「………そこまで……小説のネタを貰っちゃったかも!」 「………次のシリーズは助手が監禁でもされるか?」 「良いね! でもそんな安易な事じゃない 迷子の猫を探しに行って事件発生 何か書きたくなったな またな!慶一!」 城崎は慌ただしく部屋を出て行った 久我山は苦笑して類を膝の上に引き寄せて乗せた 「類、浮気すんなよ」 「してないよ!僕は慶一だけだよ」 「こんなに美味しく育ちやがって……」 美味しく育ったから久我山の悩みは尽きない 「慶一が僕を育てたも同然じゃないか!」 「言うようになったな!」 「慶一が俯くな! 言いたい事はちゃんと言え そう言い僕を日々鍛えたんじゃないか」 「こんなに艶々に美味しくなるからな…… 欲しいと言う奴が後を絶たねぇじゃねぇかよ」 「“今”を欲しいと言われても 僕は慶一のモノだからね 昔、振り向きもしなかった人達に欲しがられても……嬉しくもないよ」 「俺のだからな」 「うん!慶一の!」 「そうだ!聡史んとこ、また産まれたからな見舞いに行くぜ」 久我山の双子の弟の聡史は会社で出会った子と3年前に結婚した 双子ばかり産んで、今度も双子だった 二度目の出産で「また」と言われるのは……既に二人の子持ちだったから 「お見舞いに行かなきゃね 慶一 子供好きだよね?」 久我山は野球のジュニアチームの監督をしていた 面倒見が良くて厳しい監督として有名だった 「ガキは教えただけ吸収するからな!楽しいな」 「………自分の子供……欲しいと想った事……ない?」 「ねぇよ!類が産むなら欲しいけどな そうじゃねぇなら要らねぇ」 類は男だ 逆立ちしても……子供なんて生めない 「慶一無理してない?」 「するかよ! 俺は子供よりも類といてぇんだ 類の側にいると決めた日から類だけしか見てねぇぜ?」 久我山の言葉は本当だった 類だけ愛して、愛情を注いでくれる 「……僕…慶一の子供産めたら良いなって……想った」 この身躯は……子は産めない 幾ら欲しいと望んでも……子を宿す器官はない 「俺は類だけ要れば良いって何時も想ってる 例え子供でも類が触って世話を焼くのは許せねぇんだ だから産めなくて良かった 俺もお前も男だ……でも愛し合う想いは誰にも負けちゃいねぇ!それで良いじゃねぇかよ!」 類は久我山の首に腕を回した 「……ん……慶一がいてくれれば僕は生きていけるよ……」 久我山は類の服を脱がした パラッとはだけた肌は久我山の愛撫が散らばり…… 赤く尖った乳首は……艶めき美味しそうだった その乳首に久我山は吸い付いた ぺろぺろと舐めて吸うと類の身躯は反応して勃ちあがった 「誘ってみ?類」 類は妖艶に微笑むと久我山の中指を舐めた 口に咥えて舐めると久我山の股間がズクッンと勃ちあがった 「慶一来て…」 「何処に?」 類は久我山の手取ると秘孔へ導いた 「……ここ……ぁん…挿れて…」 久我山は指を挿し込んだ 「指で良いのか?類」 「指じゃ嫌……慶一が良い……」 「自分で挿れてみろよ?」 久我山は意地悪く言った 類は久我山の肉棒を掴むとペロペロと舐め始めた 気を抜けばイカされる…… それ程、類の舌技は巧みなモノだった 「……類……類……挿れてみて……」 類の身躯を起こすと、類は久我山を跨いだ 蕾に亀頭の先端をあてると…… 秘孔が肉棒を飲み込んで行った 類は腰を使った それを押し止め、久我山は一息着いた ペロッと久我山の唇を舐め類は艶然と笑った 「慶一お前ので突いて…」 耳を舐められ囁かれると理性も吹っ飛んだ 久我山は腰を使って類の中を掻き回した 類は仰け反った 快感に押し潰される……かのように仰け反り喘いだ 類の齎す快感に翻弄されて出し尽くすまで久我山は腰を使った 久我山の欲望が尽きて、性器が力なく抜け落ちると、久我山は類を抱き締めた 「類、……もう出ねぇよ」 「僕も……もう動けない……」 「こんな所で始めたら掃除が大変だぞ……」 「慶一手伝ってね」 「お強請りが上手になったな」 久我山は笑いながら類を持ち上げて浴室へと向かった 類を洗って軽くシャワーで流すと身躯を拭きベッドに潜り込んだ 「慶一愛してる」 ベッドに入り、久我山の胸に顔を埋め類は言った 「俺も類だけ愛してる」 「死ぬまで一緒だよ……」 「死んでも一緒にいような類」 類は何度も頷いた 「慶一、僕の最期の愛だよ」 これは最初で最期の愛だから…… 久我山だけ愛して この命を終える 貴方を失ったら…… 生きていけない 貴方を失ったら…… 僕は死のう…… 久我山慶一と言う男しか愛せないから…… 「慶一、僕は慶一を亡くしたら死のうと想う……」 「バカ……そんな事言うな」 「慶一のいない世界では一分一秒……生きられない」 「大丈夫だ類 俺はお前を置いてなんか逝かない…」 「ん……離さないでね…」 「当たり前だろ?」 「慶一は僕の最初で最期の愛なんだ……」 「類、俺もお前が最期の愛だ」 強く強く……互いを抱き締めた 離さない様に…… 明日を信じて 愛を信じて 生きて逝こう…… この息が止まる瞬間まで…… 離さないで… 二人の想いだった これが最初で最期の愛だから……

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