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メルヘンに恋して。 第2話・君の名前は……。(1) | 蓮冶の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
メルヘンに恋して。
第2話・君の名前は……。(1)
作者:
蓮冶
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第2話・君の名前は……。(1)
篤
(
あつし
)
はこれまで、自分の家に縫いぐるみがあることに抵抗を感じていた。 しかし今は、そんなことも考えられないほど、浮かれ気分で皇帝ペンギンを家に持ち帰った。 浮き立つ気持ちのまま食事をすませ、風呂も入り、子供の頃に戻ったかのような気持ちで、皇帝ペンギンの縫いぐるみを抱えてベッドに潜り込む。 「君はなんて可愛いんだ!」 帰宅してからこれで何度目だろうか。 篤は、縫いぐるみを愛でることを止めない。大の大人が縫いぐるみに頬ずりをする。 「名前を決めよう。えっと、皇帝ペンギンだから、名前は……エンペラーの、『エン』で、ペンギンの、『ペン』を取って、『エンペンくん』にしよう! 君は今日からエンペンくんだ。俺は篤だよ」 縫いぐるみの名前を付け、篤自らも名を名乗ると、エンペンくんのつぶらな目が、どこか輝きを増した気がした。 それはきっと、自分があまりにも舞い上がっているせいに違いない。 篤は勢いよくエンペンくんに抱きついた。 「好きだ、君は俺の癒しだっ!!」 腕の中にいる縫いぐるみのエンペンくんに思いの丈を告白すると、くちばしのところに唇を落とす。 睡魔がやって来るまでの時間、篤はエンペンくんと戯れ、楽しい時間を堪能した。
――
深い闇が広がる。 どうやら自分はいつの間にか眠ってしまったらしい。篤はおかしな夢を見ていた。 自分が見ている世界が夢だと思ったのは、抱いていた筈のエンペンくんがおらず、代わりに、金髪の青年がいたからだ。
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蓮冶
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