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1-14 聞きたくない告白

6月下旬。ある日の部活の休憩中、僕は、聞きたくない告白を聞いた。 「アタシ、藤澤君と付き合うことになったんだ。」 そう照れながら凜ちゃんが言った。 凜ちゃんから、告白したそうだ。 「そう、なんだ、、、おめでとう、、」 心の奥底の感情を隠し、祝福の言葉を述べた。あの相合傘を目撃して以来、以前よりも凜ちゃんが藤澤君に話かける頻度が明らかに増えたのを感じた。 二人の関係は、発展していたんだ。 「凛ちゃん、部長が呼んでるよ。」 「はーい。ちょっと行ってくるね。」 「あっ、うん。」 僕は、一人校庭を見つめていた。 サッカー部が元気よく練習をしている。遠目だけど、藤澤君を見ることができた。 付き合うのか、、、、、いいなぁ、、、、 素直にそう思った。 「何、話してたの?」 ふいに響君が話しかけてきた。 「たいしたことじゃないよ。」 僕は、少しだけ笑った。 「そっかぁ、、サッカー部、頑張ってるね、、」 「そうだね、、」 休憩が終わり、練習を始めた。トランペットと同じフレーズがあり、途中からパートごとの練習ではなくトランペットと合わせて練習をする。響君の隣には、いつも鈴宮さんがいて、響君が丁寧にアドバイスをしている。そのアドバイスを受ける鈴宮さんの顔は、どことなく照れているような気がする。 僕は、練習しながらもずっと凛ちゃんの告白を考えていた。 考えてもどうしようもないことだけど、それでも考えずにはいられなかった。 気づくと、心には羨ましいという感情だけが虚しく残っていた。 帰り道。夏が近づいているせいで、以前よりも明るかった。 「響君のおかげで、みんなすぐに上達したねー」 「みんなが日頃から真面目に練習しているからだよ。」 「鈴宮さんも順調に上手になってるし、僕も頑張らないとね、」 「、、それよりさぁ、悩み事があるんじゃないの?」 急に響君の顔が、真剣になる。 「えっ?」 「今まで深く聞かなかったけど、凛ちゃんと何かあった?」 「別に、、何も、、、」 僕は、俯いてしまった。 「言いたくないならいいけど、もしかして、凛ちゃんと藤澤君の関係について?」 響君は、僕の顔を見つめる。隠せないなと思った。 「さずが響君、、、、、付き合うんだって、、、」 僕は、力なく言った。 「そっかぁ、、愁君は何で元気ないの?」 「いや、、、まぁ、、、」 「ライバル、か、、、」 響君が、ポツリと呟いた。 「えっ、、、何言ってんのさ!ははは、、、」 僕は、自分の気持ちを隠すように笑った。 「僕は、誰が誰を思っていても、いいと思うんだけどなぁ、、、」 響君は、沈み行く夕日を見ながらそう呟いた。 響君の言葉に救われた気がした。 けれど、絶対にこの思いは、誰にも言ってはいけないものなんだ、、、

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