48 / 91

4-10 登山を終えて

登山を終えて、学校では少しだけ有名人となった。 会う人、会う人に祝福の言葉を述べられたけど、僕らをよく思わない人たちもいて、陰口を言われることもあった。登山中の判断ミスや、なぜ別行動したのか、様々な面から非難された。僕は、それを黙って聞いていることしかできなかった。 自分でも、何が正しくて何が間違っているのかわからない、、、 議論は、先生たちの間でも盛んになり、登山大会を存続させるかどうかまで話が発展していると聞いた。安全性の担保、そもそもの登山の必要性、伝統行事の継続、何を重要視していくのか、結論は未だに出ないままだった。 いつもの帰り道。響君にもかなり心配をかけてしまった。 「いろいろ言う人いるけどさ、僕は、愁君が無事でいてくれて、それだけで、よかったよ!」 響君は、僕を励ましてくれる。 「ごめんね。また心配かけちゃって、、」 「本当だよ。遭難の一報を聞いた時は、心臓が止まりそうだった。」 「ほんと、ごめんね。みんなにまた迷惑かけちゃったよね、、」 響君は僕を抱きしめた。 「もう自分を責めるのをやめなよ。けど、次は、なしだよ。」 「わかってるよ、、」 僕は、力なく笑った。 「それより、遭難後、ますます藤澤君と仲良さそうだけど、何かあった?」 遭難後、僕と藤澤君は、今まで以上に話すようになった。 「別に、、、何もないよ、、」 「ふーん、もう付き合ってたりして?」 「えっ、違うよー」 「ふーん、、」 何か含んだ顔をしている。 「もう、」 僕は、ムッとしてみた。 「ごめんって。」 「許さないよーだ!!」 僕たちは、また笑った。 いつもの帰り道、少しだけ風が冷たくなり、秋の訪れを感じるようになった。 時があっという間に過ぎていく。 この帰り道もいつかは、通らなくなるのだろうか。 それが、なぜだが無性に寂しくなった。 ―――――――――――――――――― 第四章、終わりました!!ここまで読んでくださってありがとうございます!!!!藤澤君と愁君の関係が、海よりも進みました(*´ω`*) もう付き合いなよ!と、書いている僕も思うんですが、まだまだ先は遠そうですが、あともう少しのような気もする!! 次は、第五章、体育祭。この章は、武藤君が攻めてきます!! 引き続き、読んでくだされば、幸いございます。 シュンより

ともだちにシェアしよう!