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7-9 夢

藤澤君がサッカーの世界に戻り、いつも通りの日常が戻った。 僕も僕なりに自分のやりたいことを見つけようと思ったけれど、なかなかやりたいことは見つからない。 お昼休み、優君と進路について話した。 「優君は、美大に行くんだっけ?」 「そのつもりだよ。」 「将来の夢は、やっぱり、画家?」 「まさかぁーウチのレベルじゃ無理だよー」 優君は、手を横に振りながら笑った。 「けど、前に見せてくれた絵、すごく綺麗な絵だったよ!」 「あのレベルは、みんな描けるんだよー」 そうなんだぁ、、 とてもうまかったけどな、、 「じゃあ、将来どうするの?」 「美術の先生になりたいって思ってる。」 「へぇーすごい!」 「何、話してんだ?」 凛君と武藤君と重岡君が来た。 「進路の話だよー」 「愁君は、地元の大学、目指してるんだよな?」 凛君が聞く。 「うん。凛君は、東京の大学だよね?」 「そうだなー」 「都会に憧れてんだよ。凛は。」 武藤君がからかっている。 「勇、そういうお前だって、東京だろ!」 「そうだっけ?」 「ふざけるなよ。」 凛君と武藤君が、いつものように言い合っている。 僕は、それを横目で見ながら、重岡君に聞いてみた。 「重岡君は、どうするの?」 「私も東京の大学を目指してます。」 重岡君は、ニコリと笑った。 「みんな、東京なんだーやりたいことは、決まってる感じなの?」 「俺は、スポーツトレーナーになるつもりだ!」 武藤君は、堂々と言った。 「俺はーとりあえず、都会に行って、そこからまた考えるかなー」 凛君が、言う。 「私は、国のために仕事がしたいですかねー」 重岡君も続けて言った。 みんな色々考えてるんだ、、 僕は、やりたいことがわからないなぁ、、 「みんな、すごいね!」 なんだか、みんなが羨ましかった。 いつもの帰り道。響君とも進路の話が話題になった。 「響君は、音大に行くの?」 「そうだね、入学当初は、その気はなかったけど、今は、そのつもりだよ。」 「響君なら、絶対、受かるよー」 「どうかな、、高校は、実技のピアノで落ちたしねぇ、、」 響君は、苦笑いした。 「えーーあんなに上手なのにー」 「愁君は、地元の大学を受けるんだよね?」 「うん。そのつもりなんだけど、やりたいことが見つからないんだ、、」 「そっか、大学に入ってから考えてもいいんじゃない?」 「そうかな、、なんだか、みんなやりたいことがあるみたいで、不安だな、、このままズルズル行かなきゃいいけど、、」 「大丈夫だよ!きっと、どこかでやりたいことが見つかるよ!焦る必要はないと思うけどね!」 「そうかなぁ、、」 「とりあえず、試験勉強はしっかりやらないとね!」 「そうだよねー落ちたらそれどころじゃないしね!!」 「お互いに頑張ろう!」 「うん!」 まだ、やりたいことは見つからないけど、ゆっくり考えて、見つければいいなと思った。 だから、今できることを精一杯やろう。 そう強く思う。 ―――――――――――――――――――― 第七章、終わりました。 うん、、東条君の思い、わかる、、辛いね、、、 さて、第八章:高校生活の終わり に突入します。 物語もそろそろ終わりに近づいてきています。 最後まで、読み続けていただければ、幸いです。 シュン

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