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最終話・ずっとお傍に――。(十一)
大瑠璃が愛を告げれば、たくましいその腕に身体が引き寄せられる。
互いの身体がぴったりと重なれば、大瑠璃は間宮の欲望がふたたび息づいているのに気が付いた。
「輝晃さま!?」
つい先ほど果てたばかりなのに、もう回復している彼の体力が恐ろしい。
大瑠璃がびっくりして声を上げれば、間宮は申し訳なさそうに笑った。
「どうしよう、医者には安静にさせるようにと注意されたのに……。君といると僕はどうにかなってしまいそうだ。欲望が絶えそうにない……」
眉根を寄せ、情けなさそうに笑う彼が可愛らしい。
自分よりも年上の相手に向かってそう思うのはおかしなことだろうか。
けれども大瑠璃はたしかに、そんな間宮が愛おしいと思っているのだ。
「輝晃さまの好きにしていいよ」
大瑠璃はクスクスと笑いながら、彼の耳元でそっと囁いてみる。
「君には敵わない。本当に……」
間宮はひとつ苦笑を漏らすと、すぐにその唇で大瑠璃の唇を塞いだ。
やがて二人の間には、ふたたび焼けるほどの熱が生まれる。
「愛している、僕の美しい大瑠璃」
薄い唇から紡ぎ出される愛の言葉を聞きながら、大瑠璃もまた、愛を紡ぐのだった。
完
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