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第5話
屋敷の中はやはり豪奢で美しかった。そして集まっている人ならぬ者たちも。優雅に食事している者もいれば、淫らに睦みあっている者もいる。
アシュタルトは堂々と広間を歩き、奥まったソファに落ち着いた。残忍なことで名を知られている美貌の大侯爵の登場に、周囲の視線は飛んでくるが話しかける者はいない。
遠巻きな囁きをラファエルは感じた。
魔族はラファエルを横抱きにして弄ぶ。夜着ははだけられ、口づけられたところがぽつぽつと熱を帯びる。戒められたところはどくどくと脈打っていた。
アシュタルトにワインを口移しに飲まされ、ラファエルはぐったりソファに沈んだ。
体は熱く火照り、くらくらとめまいがした。
続きをねだってしまいそうになる。このまま鎮まらないことはもう知っている。でもこんな人目のあるところで……。
あちこちで絡み合う者がいても、ラファエルの理性が最後の一言を口に出すのを拒んでいた。
「どうした?」
意地悪く、爪の先で乳首を弾いてアシュタルトは問う。
「あ、……何でも、ない、です」
ラファエルは快感に震える声で意地を張った。
「そうか? 今宵はお前が泣かされる顔をじっくり堪能するつもりでいるんだが……」
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