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現実ホワイトデーだけど〜2/14は○の日~
※こちらのお話は、嫁決定を発表した新年会後であり、雨花と皇が東都大受験前のバレンタインデーだと思ってお読みいただけたらと思いますm(_ _)m
「痛ったぁぁ!」
「大丈夫ですか?!雨花様!」
何?頭が痛い。
目を開けると、どうやら倒れているらしいオレを囲んで、側仕えさんたちが心配そうな顔で覗き込んでいた。
「あれ?」
何してんの?オレ……。
「大丈夫ですか?雨花様!」
いちいさんが手伝ってくれて体を起こすと、頭がクラリと揺れるような感覚を覚えた。
「頭を打ちましたか?痛みますか?」
そう聞くいちいさんに、オレは『いえいえ大丈夫です』と返事をして、ふたみさんが戻してくれた椅子に座った。
どうやらオレは朝ごはんの途中に、何かの拍子に椅子ごと後ろに倒れて頭を打ったらしい。
何だ?その状況。椅子ごと後ろに倒れるとか、子供だってそうそうしない。
そんなことを思いながら食卓を見ると、目の前の朝ごはんには少し食べた形跡がある。あれ?オレ、が、食べた?……食べた記憶がない。そもそも今朝起きたのはいつだっけ?え?昨日は何をしてたっけ?
あれ?頭を打った衝撃で、軽く記憶障害?嘘?!
そんな心配をしていると、ダイニングのドアがバンッと開いた。
「まだ食うておるのか。早う食え。始められぬではないか」
入って来たのは着物姿の皇だ。
「は?」
始めるって何を?
ちょっと待って。オレ、今それどころじゃないんだけど。
皇にそう言おうと思ったらいちいさんが、『雨花様の朝餉が終わり次第、若様をお迎えに上がると、駒様にはお伝えしてあったはずなのですが』と、皇に頭を下げた。
「え?」
待って待って!何?何?今日なんかあったっけ?あれ?ちょっと待って。今日って何日?
ダイニングに掛けられている時計には、2月14日と表示されている。
2月14日?え?何かあったっけ?
「聞いたが、迎えを待っておられず先に参った。もう朝餉は済む頃と思うておったが……遅い」
「申し訳ございません」
皇の言葉にいちいさんが謝るから、『なんでいちいさんが謝るんですか。遅いのはオレなんですから』と、言ったんだけど、そもそも皇と何の約束をしてたんだ?オレ。
「あの……お前、何しに来たの?」
「あ?今日が何の日か忘れたか」
「え?」
今日?は……2月14日って表示されてる。今日が何の日かって?
「バレンタインデー?」
まさか、チョコをもらいに来た……とかじゃないよね?いやいや、鎧鏡さんちの若様が、そんな横文字のイベントに飛びつくわけがない、はずだけど。
「何を申しておる。褌 の日であろうが」
「ふ?」
「褌の日だ」
「ふんどしの日?!」
とっさにいちいさんに顔を向けると、いちいさんはオレに向けてにこりと頷いた。
え?それって……今日はふんどしの日ですよっていう頷き、なんでしょうか?
「ふんどしの日って……何?」
いや、バレンタインデーだとか言われるより、よっぽど現実味あるけども!なんでよりによってふんどしだよ。
「日本古来より2月14日は褌の日とされておると言うたであろうが」
「は?」
皇は、着物のたもとから携帯電話を取り出すと、何やら操作をしてオレに画面を見せた。
『今日は何の日?』と大きな文字で書いてある下に、『バレンタインデー』と並んで『ふんどしの日』と書いてある。
「うっそ!」
皇が、『前も説明したであろうが。嘘だと思うておったのか?』と、こちらを睨んできた。前も説明?って……いや、全然思い出せない。
「ちょっと待って。今日がふんどしの日っていうのはいいとして、お前は何をしに来たわけ?」
「あ?そなたの計測を、余以外の者にやらせるわけにはいかぬゆえ」
「計測?」
「そうだ」
「若様……雨花様は、先ほど椅子ごと後ろにお倒れになりまして、頭をお打ちになったようなのです。もしかするとそのせいで記憶が飛んでいらっしゃるのでは?」
「何っ?!すぐに三の丸に運ぶ!」
「私もそのほうが良いように存じます。すぐに」
オレは、目の前に並ぶ朝ごはんを食べられないまま皇に抱き上げられて、三の丸に連れて行かれた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「何の異常もないとのことで、安心致しました」
三の丸から梓の丸の屋敷に戻ると、そう言っていちいさんが胸をなで下ろした。
かか様に色々と検査をしてもらったところ、ここ何日間かの記憶が抜けている部分があるってだけでほとんど覚えているようだし、頭の中に異常はないから大丈夫だろうとのことだった。
それにしたって、ふんどしの日についての記憶はまるでない。
「ねぇ、ふんどしの日って何するの?」
そう聞くと皇が、『褌を新調する日だ』と、真面目な顔で教えてくれた。
鎧鏡一族は、祭事や大事な日の下着はふんどしと決まっているという。2月14日は、毎年その年に着けるふんどしを新調する日なのだそうだ。オレも来年の4月には一族の仲間入りをする。今からふんどし生活に慣れておかないといけない……という話を、少し前に皇から聞いていたはずだって言うんだけど……全然覚えていない。
っていうか、うん。まぁ、ふんどしかぁ。オレ締めたことないんだけど……とは思ったけど、そのふんどしを新調するとして、え?一体皇は何をしに来たわけ?
「それで、お前、何しに来たの?」
「あ?計測だと言うたであろうが」
あ、そういえばさっき、そんなことを言ってたっけ。
「計測?何……」
何を?と聞こうと思った瞬間、嫌な予感が全身を駆け抜けた。
ふんどしの日……とは、ふんどしを新調する日……に、計測に来たって言う皇……が、さっき『余以外がそなたの計測をしてはならぬ』的なこと、言ってたような気がする……んだけど、ふんどし新調で計測って……。
「どこを?!」
え?オレのどこを計りに来たの?
「あ?」
「ふんどしってサイズ関係あるの?え?ウエスト?とか?」
「いや、陽物の大きさを測る必要がある」
「よう……」
「陽物だ」
「ようぶつぅぅ?!」
陽物とは、言わずとしれたpenisのことで……。
「待った待った!ふんどしでどうしてそんな……そんなとこの大きさ、関係ないじゃん!」
ふんどしって、長い布で何かこう、グルグル巻いてるだけだよね?!
オレがそう言うと、『ああ、世間一般の褌はそのような物なのやもしれぬな』と顎に手をやったあと、『八白 に、ここに余の褌を持ってくるよう伝えよ』と、いちいさんに命令した。
八白っていうのは、本丸の……っていうか、皇の衣装係の八白様のことだろう。うちのとおみさんの上司にあたる人……っていうのかな?本丸の側仕えさんたちは、候補についている側仕えさんたちとは違う名称がつけられている。
一白 様、二黒 様、三碧 様、四緑 様、五黄 様、六白 様、七赤 様、八白 様、九紫 様……の9人が、皇の側仕えとして、本丸で働いている使用人さんたちをまとめているんだそうだ。
この皇の側仕えをしている九人のことを、曲輪勤めの家臣さんたちは『九曜 様』と呼んでいて、曲輪勤めの家臣さんたちはみんな、この九曜様たちの誰かの下に所属しているという。
たとえば、うちのいちいさんは一白様の部下?みたいな関係らしく、ふたみさんは二黒様の部下……というように、だ。
聞いた話だと、曲輪に”奥方候補”って存在がいない期間は、一年に一回、曲輪勤めの家臣さんたちが一同に会して”九曜対抗大運動会”なるものが行われるという。
八白様には、何度かお会いしたことがある。皇の着替えをうちに持ってきてくれたりしたこともあったし。八白様はとおみさんとどことなーく雰囲気が似てて、なんていうか……全体的に女性的で柔らかい印象をオレは持っていた。
皇がいちいさんにそんな命令をしてから10分とたたずに、八白様がやって来た。
『お持ち致しました』と、うやうやしく皇に差し出したのは、何かを包んであるらしい風呂敷で……。まぁ間違いなく、その中には皇が命じた”ふんどし”が入っているんだろうけど……。
それを受け取った皇は、『これだ』と、オレの前で風呂敷を広げた。
「え……」
風呂敷に包まれていたのは、白い……え?オレが描いていたふんどしのイメージじゃなくて……え?ほぼ紐なんですけど。紐に、何か三角形っぽい布?みたいなのがついてて……。はーちゃんが持ってたビキニの、両脇を紐で結ぶパンツ?みたいな……感じ?っていうか、これが皇の"ふんどし"なの?!
「え?ちょ……これ、皇の?」
「そうだ。余の陽物がちょうど収まるよう作られておる」
皇は、風呂敷からふんどし?と皇が言っているソレを取り出して、オレに持たせた。手に取ってみてわかったけど、三角形の布の中に、何か固い物がある。見てみるとその固い物は、なんていうか……ちょうどpenisとnutsを包み込めるような形?……になってるっていうのかな?
三の丸から帰ってきたあと、改めて一緒に朝ご飯を食べていたあげはが、オレの後ろから覗き込んできて、『おっき……』と目を見開きながら呟いたあと、慌てて口をふさいだ。
うん、わかるよ、あげは。皇の陽物はね、"陽物"って名前がふさわしいモノなんだ。っていうか、良かった。あげはが見ても皇の陽物は、おっきい!とビックリするくらいのモノってことだよね。
オレ、物心ついたあとは、他人のpenisなんて皇のしか見たことなくて……ちょっと自分のアソコに自信を失いかけてたんだ。本気で心配になって、日本男性の標準がどれくらいか調べたりして、ようやく安心した過去が蘇った。
「そなたにも、褌はこの先必要になって参るゆえ、そなたの大きさに合わせた褌を、この褌の日に新たに作り始めるよう命じた。制作はそなたのところの十位がすると申しておるが、そなたの陽物を十位に測らせるわけにはいかぬ。ゆえに余が参ったのだ」
「待って待って!ふんどしって、どうしても作らなきゃいけないものなの?」
「一族の決まりゆえ」
「う……わかった。百歩譲ってふんどしを作るとして!この固いところがなきゃ、大きさなんて測る必要ないじゃん!っていうか、いや、うん、こっちも百歩譲って固いところがあってもいい!あってもいいけど!ペ……う……その……そんなとこ、測る必要なくない?オレ、日本男児のごくごく標準サイズだと思うし!標準サイズで作ってくれれば……」
「それはならぬ」
「は?なんで?!」
「急所はよくよく守らねばならぬ場所。どのような激しい動きをしてもなお、ずれることのない、そなたにしっかりと馴染む褌をつけねば、大事に臨むことは出来ぬ」
「ちょっと!オレ、急所を守らないとならないような大事に臨む予定があるってこと?」
皇はオレの意見なんてガン無視で、『すぐに済むゆえ』と言って、オレの手首を掴んだ。
「待って!測るってどうやって!?」
「陽物の正しい測り方というのがある」
「何それ?正しいって……どうやって測るの?」
「和室で測るゆえ、参れ」
オレの質問にはまたガン無視で、皇はいちいさんに『余が呼ぶまで待機致せ』と命じると、オレの手首を掴んだまま和室までオレを引っ張って行った。
「ちょっ……ちょおおおおおおおっ!」
和室には、なぜか布団が敷いてあった。もうその時点で怪しい予感しかしないじゃん!
皇はオレを布団の上に寝かせた。
「陽物測るって……どうやって?」
「陽物を正しく測るためには、まず怒張させる必要がある」
「どちょう?!」
それって、勃たせるってこと?
「ちょっと待って!なんでそんなMax時のサイズが必要なんだよっ!」
「祭事にて興奮することもあろう。そのような時にもそなたの陽物をしっかり包み続けるためだ」
ないから!お祭りで興奮して勃たせるとかないから!
オレが皇からちょっと離れると、皇はメジャーを着物のたもとから取り出して、オレにずいっと近づいた。
「ちょおおおおっ!」
「夜伽をするのと何ら変わらぬ。そなたの陽物が膨らみ切ったところをさっと測るゆえ」
「ちょっ……考えてもみろ!オレのpenisの正確なサイズをとおみさんが知ることになるんだぞ!それならふんわりした情報で作ってもらったほうがいいと思わない?!」
「思わぬ。そなたを守るためだ」
オレの勃起時の大きさをとおみさんに知られるなんて、オレのpenisは守られるかもしれないけど、何ていうか……すごく大事なところが完全に崩壊する気がする!恥ずかし過ぎるだろうが!
皇にそう言うと、ちょっと考えた皇が、『十位に正確な数値を言わねば良いのか?』と、オレを軽く睨んできた。
「そうだよ。日本男性の平均値で作れって言えばいいじゃん!」
「平均値とはどれほどだ?」
「それは……」
「そなたは誠、日本男性の平均値なのか?」
「は?え……それは……」
「十位にははっきりした数値は伝えぬ。だが、そなたの陽物が誠、日本男性の平均値かどうか、余だけははっきりした数値を知っておく必要があろう」
「はぁ?」
「十位には言わぬゆえ、大人しく測らせよ」
そう言った皇に、唇をふさがれた。
「んんっ!」
パジャマの上から乳首を的確に押されて、小さく体が震えた。
相変わらず、皇はオレの乳首の場所を一発で探り当ててくる。何なの?その才能!
パジャマの上から強めに撫でられた乳首がツンッと立ち上がったのが、オレの視界にも入った。
立ち上がった乳首の先端を、皇の親指と人差し指が撫でまわす。
乳首の先端を撫でられる快感が、すぐに下半身を反応させた。
もーーー!何でオレ、こんな……乳首、弱いんだよー!もー!
ほんの少し腰を上下させたのを見逃さなかった皇が、オレのズボンをバッと脱がせた。
「やっ!」
「完全に怒張した状態の陽物を、体と垂直の角度に固定し、付け根から先端までの長さを測る。完全に怒張したと思うたら、そう申せ」
「そんなの……は、あ……わかん、ない」
「そうか。では余が判断致そう」
皇はそう言いながら、パンツの上からオレのpenisとnutsをふわふわとマッサージでもするように揉んだあと、オレの腿を両手で開いて、股の間に顔を埋めた。
「んんっ!」
皇はスルリとオレのパンツを脱がせて、躊躇なくオレのpenisを口に含んだ。
一気にpenisに血液が集まったのがわかる。
もう完全に勃ってると思う。
なのに皇は、口からオレのpenisを離さない。
「皇っ……もう測って」
「ん?」
オレのpenisを口の中でモゴモゴと食べるように舐めている皇は、口を離そうとしない。
「早、くっ!測って」
それでも皇は口でオレのpenisをしごき続けた。
「あっ!だめ!皇っ!もう測ってってば!あ、あっ!もう、出ちゃう!早くっ!ああっ!測ってっ!出ちゃ……ああっ!早くっ!」
ようやく皇の口からpenisを開放された途端、測られる前に射精してしまった。
「はぁ……はぁ……早く、測って……」
今ならまだ間に合うでしょ!
「果ててしまっては、そなたの完全なる怒張時の陽物とは言えぬ」
「はぁ……もう……だからぁ……はぁ、測ってって、言ったのにぃ……」
「いや、もう少しいけるのではないかと……余が見誤った。すまぬ。もう一度試そう」
「え……出したばっかりなのに、すぐは無理!」
「無理ではなかろう。そなたのここからは、何やら溢れておる」
皇はそう言って、オレのお尻を撫でた。
「あっ」
だって!それは仕方ないじゃん!こんなことしたら、絶対にシシの印……擦って欲しくなっちゃうんだからっ!
「印が疼くか」
「もう……シシに取ってもらうこと出来ないの?この印」
「あ?要らぬのか?」
「だって……」
皇がいなきゃ絶対届かないんだよ?すっごくすっごく触って欲しいのに!今じゃ、penisより断然、印を擦られてイくほうが……気持ち、いい。なのに!一人じゃどうにもならないなんて!毎度毎度ムラムラしたら、皇にどうにかして欲しいってお願いしないといけないなんて……恥ずかしいじゃん!印がなくなれば、こんなことで悩まなくて済むもん!
「ん?」
「お前じゃないと……届かないとか……すごい困る、から」
「なにゆえ困る?」
「それは!」
「それは?」
「それは!……したい……とか、思った時……お前に、して欲しい、とか、そんなの……」
「申せば良かろう」
「はぁ?!そんなんお願いして、お前に……したくない、とか断られたら……オレ……恥ずかしくて死ぬ」
「それはない」
「は?」
「そなたからの誘いを断るわけがなかろう」
「でも!お前がそばにいる時ばっかりじゃないじゃん!」
「余がおらぬ時は……ああ、藤咲から贈られた物があったであろう?余がそばにおらずどうにもならぬ時は、あれを使っても良い。許す」
藤咲から贈られた?サクラから贈られた物って何?
「何かもらったっけ?」
「そなたと時計台に泊まった日のことだ」
「時計台?」
時計台に泊まったのって、去年の学祭の時……で……って!
「あっ!」
「思い出したか?」
思い出した!あの白いもこもこパジャマについてた怪しいしっぽの付属品のことか?!長さとか何かが三段階調節可能とか書いてあって、ウニウニ動いてたあの……。確かに、アレなら印に届くかも!
……って!そういう問題じゃ……いや、そういう問題か?え?問題解決?
「そなたがそれでも印をシシに返すと申すなら致し方あるまいが……印は余にとっても、恐ろしいほどの快楽を生むゆえ」
「え?そう、なの?」
「ああ」
「今……は?」
「ん?」
「印……擦りたい?」
「今だけではない。常にそなたの中に入っていたい」
そう言って皇は、オレの中に指を滑らせた。
「んんっ!」
皇が指を入れただけで、グチャグチャと音がする。皇に印を擦られたくて、体がもう受け入れ体勢に入ってる。
「もう、大丈夫そうだ。入って良いか」
「……ん」
そう返事をするが早いか、皇は自分の陽物を取り出して、オレの中にズブズブと音を立てながら入ってきた。
シシから印をもらう前は、皇はオレの中に入れる前に、もういいってくらい指でそこを広げてくれていた。でも、印をもらったあとは、皇に擦って欲しくてたまらない気持ちと一緒に、お尻の奥がフヤフヤになる体になってしまったらしく、皇がすぐに入ってきても、全然平気になっている。
皇の亀頭が印に届いて、オレは悲鳴じみた声を上げた。出し入れされて印を擦られると、penisはまた一気に立ち上がって、オレは皇に『測って』と、懇願した。
『ああ』と、今気づいたような顔をした皇が、印を擦るのをやめてメジャーを手に取った。
「あ、あ……皇ぃ……擦って」
「ああ」
皇はゆるゆると腰を動かしながら、メジャーでオレのpenisを測ろうとするけど、オレはもう印を擦られる快感で、じっとしていられない。
「もっと……擦って。皇ぃ」
皇の腕を掴むと、皇はメジャーを放り投げて、オレの腰を両手でつかみ、ガンガン突き上げてきた。
「ああっ!あっ!あ、あっ!」
ってことで、また測れなかったっていうね……。
「お前、全然測る気ないじゃん!」
「今のは余だけの責任ではあるまい」
「う……」
確かに……そう言われたら!そうかもしれないけど!
「もう一度だ」
「はぁ?!もう無理!ホント無理!」
「いや、それはならぬ。褌は今日の褌の日に新調せねばならぬ決まりだ。これで最後に致すゆえ、もう一度だけ協力致せ」
本当に無理って言ってるのに、皇にpenisを掴まれてキスされて……手でしごかれたら、すぐ反応しちゃうっていう……。
もう出る!って訴えたのに、皇が『さっき放ったメジャーが見当たらぬ』とか言い出して……。
「やぁ……もう無理ぃ……出ちゃう」
「もうしばらく堪えよ」
「だったら手ぇ離してよっ!ああっ……」
皇は、オレのpenisをこする手を止めてくれない。どんどん絶頂に向けて、全身が快楽に包まれていく。
「手を離せば落ちついてしまうであろうに。今探しておるゆえ、しばらく堪えよ」
「やっ!やだっ!もうダメ!出ちゃう!あっ、離して!皇っ!」
「ああ、みつけた。今拾って参るゆえ、昂ぶりが収まらぬよう、そなたが擦っておれ」
皇はオレのpenisをオレに握らせて、上下に擦らせるように手を動かすと『そのまま続けよ』と、命令して、メジャーを拾いに行った。
「んんんっ!出ちゃう!」
手を止めればいいのに、オレは自分のpenisをしごく手を止められない。ここまで登りつめた快楽を、自分で止めることが出来ない。それでももう今回測れなかったら、もう一度なんて絶対に無理だ。何とか絶頂を迎えまいと堪えようとしたのに、拾ってきたメジャーで測ろうとした皇にpenisを強めに掴まれた瞬間、あっけなく射精してしまった。
「ああっ!」
「あ……」
「はぁ……はぁ……はぁ……もう、本当に無理ぃ。もう本当に……はぁ……もう勃たない」
「いや、もう一度くらいは」
そう言いながら、オレの乳首にかぶりついてきた皇に向かって叫んだ。
ΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞΞ
「もう出ないっ!」
そこでハッと気が付くと、さっきまで朝で明るかった和室が真っ暗だった。
え?何?え?あれ?
「何がもう出ぬ?」
そう声を掛けられて隣を見ると、肘をついて笑いながらこちらを見下ろしている皇と目が合った。
「え?」
お前、オレの乳首にかぶりついて……あれ?
「艶めかしい声でうなされておった」
皇はそう言って、オレの頬を撫でた。
え?さっきの、夢?だったの?……ん?夢?
「どう致した?」
「今日……何日?」
「2月14日だ」
そうだ。2月14日だよ!え?ちょっと待って!どこからどこまでが夢?
えっと……現実では……朝から皇がここにやって来て……『鎧鏡一門としての今日は褌 の日だ』とか言ってオレにふんどしを差し出し……。
「ふんどしっ!」
「ん?気に入ったか?」
「いるか!」
そうだ!現実でも、皇がオレにふんどしを持って来たんだ。『これからこれを常に履け』とか言って。『何で急にそんなこと言うんだよ』って聞いたら、『一族の下履きはみなふんどしだ』……とか言い出して。
『でも皇、いっつも普通のパンツ履いてるじゃん!』って突っ込んだら、バレたか……みたいな顔をして、でも本当にふんどしを履かなきゃいけない行事があるから今から履き慣れておけみたいなことを言い出して……なんだかんだで無理矢理、皇が持ってきたふんどしを履かされることになったんだった。
皇が持ってきたふんどしっていうのが、さっきの夢に出てきた、いわゆる女の子のビキニのパンツみたいな……両脇を紐で結んでつける……えっと、あ!そう!紐パン!みたいなやつで。
相当抵抗したけど、オレが自分でつけないなら、皇が履かせるとか言い出したから、自分で紐を結んでふんどしをつけたんだけど……オレのそのふんどし姿を見た皇が、両紐の結びのバランスが悪いとか言い出して、紐を結び直してるうちに……その、なんていうか……盛り初めて……。
結局そこから、いつものごとく疲れ切るまでヤッちゃって……昼間っから寝ちゃって今起きた……みたいな現状?だった気がする。
「良いではないか。そなたの陽物がきれいに収まっておる」
布団をめくって中を覗いた皇は、そう言ってオレにさわやかな笑顔を向けた。
人前ではめったに見せないようなそんなさわやかな笑顔で報告するような内容じゃないんだよー!
っていうか、寝る前すっかり脱がされてたのに、いつの間にまたふんどしだけ履かせたんだ!こいつはっ!
「……本当?」
「ん?ああ、きれいに収まっておる。自分で見てみよ」
「それじゃなくて!」
「あ?」
「ふんどし……つける行事があるって」
「ああ、そのことか。……褌を着けるのは好まぬか」
「だって……何か、お尻丸見えでスースーするし」
そう言うと、『そうか』と、何やら考え事をするように黙った皇が、スッと起きて自分の携帯電話を持って来た。
「何?」
「嘘だ」
「は?」
何が?
「褌を着けねばならぬ行事なぞない」
「はぁ?!」
「そなたの下履きは、褌のほうが良いのではないかと思うたが、そなたがすんなり褌をつけるとは思わなかったゆえ嘘を言うた」
「は?え?なんでふんどしのほうがいいんだよ」
それって、お前の好みってことですか?
いやいや、とおみさん情報だと、皇の好みは白いパンツだって聞いてるけど……。だから、皇にパンツを見られる可能性がある日は、白パンツにしてたのに!え?本当は白ふんどしが好みだったってこと?
いやいや、いくら皇の好みとはいえ、ふんどし……。それは色々と不便な気がする。これから大学に通うようになった時のトイレ、とか……あ、いや、個室に入ればいいのか。いや、でも何かの拍子にズボンが脱げるなんてことがあったら、もう完全アウトじゃん!皇が持って来た”ふんどし”は、ふんどしっていうより、Tバックの紐パンツっていったほうが近い。日本古来からある”ザ・ふんどし”姿を見られるより、こっちの一見紐パンツ姿を見られたほうが色々終わる気がするのはオレだけなのか?
グルグルとそんなことを考えていると、皇は携帯電話をスワイプして、『ある朝のそなたの寝姿だ』と、オレに画面を見せてきた。
「は?」
画面に近づいてみると、和室の布団の上で寝ているオレを、足のほうから撮った写真だった。暑かったのか、布団から完全に足が出ている。皇が正式に渡ってくる時用の白い寝間着を着ているようだけど、足はアルファベットの”P”の文字のように、片足は伸ばしていて片足は曲げている。そんな姿勢で寝ているから、寝間着の裾は乱れていて、パンツがちょっと見え……てる?携帯画面の中のオレの姿は小さくて、パンツが見えているのか見えていないのか、はっきりわからないけど。
「これが何?」
オレの寝相が悪いっていうのは、母様に言われたことがある。自分の寝ているところを見たことはなかったけど、今、皇に写真を見せられて、"これくらいなら全然かわいいもんだ"と思った。なんならちょっと安心したくらいだ。
「何?ではない。拡大すればわかる」
「は?」
皇は携帯電話の画面を拡大して、もう一度オレに見せてきた。
一瞬何の画像だかわからなかったけど、皇の携帯を手に取ってよくよく見ると、オレの下半身を拡大した画像らしい。足が『P』の字状になっているせいで、曲げている足側のパンツの裾の隙間から、完全にオレの局部が見えている!
「どあああっ!なっ!何撮ってんだよっ!バカっ!」
「何故撮ったのか、だと?そなたに自覚を促すためだ。余がおらぬ際、そなたはこのように陽物を易々と側仕え共に晒しておったのではないのか?」
「え……」
嘘……こんな姿、側仕えさんたちに晒してたの?オレ……。
ドキドキし始めると皇が、『褌であれば陽物をしっかり包むゆえ側仕え共にそなたが陽物を晒すことはなかろう』と、どや顔をした。
ああ、そっか。……って!いや、違うでしょ!
「いやいや、penisとnutsは晒さないかもしれないけど、このふんどしじゃお尻が丸出しじゃん!そっちはいいわけ?!」
「……いや、それもならぬ。そもそも余以外に肌を晒すなど……」
「あ!」
「ん?」
「オレ、肌もpenisも晒してない!」
「あ?」
「だって、オレがこういう着物タイプの寝間着を着るのって、お前が渡ってきた時だけだし、パンツもいつもはボクサーパンツだよ。いつもは寝る時パジャマだし、パンツもボクサータイプの裾がピチッとしてるやつだから、penisもnutsも晒しようがなかった!」
そう言うと、皇は『ああ、そうであったか』と、納得したように頷いた。
あー良かったー!あんな姿、側仕えさんたちに見せてたのかと思うとゾッとしたけど、そうだ!そうだ!そんなわけない!
着物タイプの寝間着の日は皇が一緒に寝てるから、こんなひどい寝相になってたって、誰かが近付くとピッ!と目が覚める皇が、他の人に見られる前にオレの醜態を隠してくれてるはずだから大丈夫だしね。
「はい、解決!んじゃ、このふんどしは返……いや、これはオレがもらっておく!」
こいつにこのふんどしという名の紐パンの主導権を握らせてはならない!って、オレの中の危機管理センターが言ってる!これはオレが管理するべきだ!って。
「気に入ったのか」
「違うっ!」
「気に入ったとて、余の前以外でこの姿を晒してはならぬぞ」
そう言った皇は、また布団をめくって中を覗いた。
この紐パン一丁姿を、お前以外の誰に晒すっていうんだよ!
「絶対ないから」
呆れたようにそう言ったその時、鴬張りの廊下を誰かが歩いてくる音が聞こえた。
和室のドアの前まで来たその足音がピタリと止まると、『夕餉はどうなさいますか』と、そう声を掛けられた。いちいさんの声だ。
「ここに持て」
「すぐお持ちしてよろしいでしょうか」
「ああ」
「かしこまりました」
いちいさんが去って行くと、皇は布団のすぐそばに脱ぎ散らかされていたオレのシャツとパンツを取って『そなたも早う服を着ろ』と、笑った。
オレを無理矢理紐パン一丁にしたお前が、早く服を着ろだと?!
オレは『お前がオレに早く服着ろとか言う資格ないからっ!』と、パンツとシャツを奪うように受け取って着ると、畳の上に散らばっていた服もきちっと着た。
ふたみさんが夕飯を並べ終えたあと、『こちらは若様から雨花様へのプレゼントでございます』と言って、リボンのついた箱が乗ったお膳をオレの前に差し出した。
「え?」
皇を見ると、口端を上げながら小さく頷いた。
ふたみさんたちが出て行ってすぐ、オレは夕飯を食べる前に、お膳に乗っている箱のリボンをほどいて開けた。
「え?チョコ?」
箱の中には、見るからにおいしそうなトリュフチョコがいくつも入っていた。
「ああ。今日はバレンタインデーであろう」
「うっそ!え?鎧鏡家、バレンタインデーにチョコレートあげたりしていいの?」
「日本のこの風習は、宗教とはすでに関係のないものゆえ良かろう」
「鎧鏡家で横文字表記の行事に参加するとか絶対ダメだと思ってた!今日はふんどしの日とか言ってるくらいだし」
去年のバレンタインは、この和室をもらったけど、バレンタイン全然関係ない理由だったし。チョコの話なんか少しも……あ、珠姫ちゃんに男避けチョコをもらってたってのは聞いたけど、珠姫ちゃんだからいいのかと思ってた。
「日本のバレンタインデーは、好きな相手にチョコレートを贈り気持ちを告げると聞いたゆえ」
「え?オレに告白ってこと?もう何回も聞いてるよ」
ふふっと笑うと、皇が『長くそなたへの想いを封じておったゆえ、そなたを嫁にと公表した今、何度でもそなたに想いを告げたい』と笑った。
冗談で言ったのに、真面目にそんなことを言われるとか、恥ずっ!
恥ずかしさをごまかすために、もらったチョコを一個、口に入れた。
上品な甘さでものすごく美味しい!
「美味しいっ!」
「そうであろう。そなたに贈るため、特別に作らせた一品だ」
「やっぱり今日は、ふんどしの日よりバレンタインデーだね」
「そなたがそのように喜ぶとは……褌だけでなくチョコレートも用意しておいて良かった。よう似合うておったに、そなたは誠、褌が嫌らしい」
「現代日本じゃ、ふんどしは色々不便なんだって。っていうかお前のくれたアレ、ふんどしっていうか、どう見ても紐パンだし」
「ひもぱん?」
若様に”紐パン”は通じないようだ。
「とにかく!布面積小さすぎて、履いててドキドキしちゃうからダメ!」
皇を睨むと、『そなたのためにと作らせたが喜ばせるどころか怒らせてしまったか』と、シュンとした。
「いや、怒ってるわけじゃなくて……オレのためにわざわざ作らせてくれたのは、そりゃ、その気持ちは本当に嬉しいけど……」
確かに……オレのためを思って作ってくれた物を、オレはブーブー文句ばっかり言ってて……皇がちょっとかわいそうになってきた。
「あの……ちょっと恥ずかしいってだけ、だから。その……一年に一回くらいなら、履いても……」
「一年に一度でも、使ってやればあの褌も喜ぶであろう」
「はぁ」
「忘れてはならぬゆえ、一年のいつあれを履くか決めておくというのはどうだ?」
「は?」
「一年に一度のことゆえ……そうだ。褌の日に毎年履くというのはどうだ?」
「……」
皇に対して変な同情心を沸かせたせいで、結局オレの2月14日は、これからも毎年"ふんどしの日"に決定したらしい。
自分で言い始めたこととはいえ、これから先、2月14日はあのふんどしという名の紐パンを履くのかと思うと、今からもう恥ずかしい!やけくそになって、皇からもらったチョコレートをまた口に入れると、皇が、『バレンタインデーに告げた想いに応じるのであれば、ホワイトデーにお返しをして、交際を始めるものだと聞いた。すでに交際を始めている場合はどうなるのであろうか。ホワイトデーが楽しみだ』と、口端を上げた。
ふんどしの日で恥ずかしい思いをさせた上、さらにホワイトデーのお返しをご所望なのか!この若様は!
「お返しって、定番だと飴とかだけどいいの?」
「定番でなくとも良かろう。余が欲しいのは何か、いつも言うておろうが」
「……」
目の前の皇は、ホクホク顔でオレを見てるけど……皇が欲しいもの……って、”オレ”?
自意識過剰かもしれないけど、それ以外思い浮かばない。
『お返しはオレだよ♡』なんてこと、オレに出来るわけがないっ!それはもう絶対に回避!何かいいアイデアは……あ!そうだ!
「はーちゃんが言ってた。ホワイトデーのお返しは、贈る物によって意味が違うんだって」
「あ?」
「いい意味の物が返ってくるといいね」
「何っ?!」
皇は、『贈る物によって意味が違うとはどういうことだ?何を贈られれば良いのだ?』と、問い詰めてきたけど、『自分で調べろ』と、おでこを叩いて、オレは夕飯を食べ始めた。
よし!これで”お返しはオレだよ♡”ルートを回避出来たはず!
確か……はーちゃんが、好きな子にバレンタインのチョコをもらったら、飴かアクセサリーをお返ししろって言ってた気がする。今度もう一回聞いておかなくちゃ。
皇、飴は喜ばないだろうから、何かアクセサリーがいいかな?オレもペンダントもらってるしね。アクセサリー、アクセサリー……と、考えているうちに、何故かサクラからもらった白いフカフカしたシッポが頭に浮かんできた。え?何で?あ!さっきの夢だ!いやいや、アレ、アクセサリーなんてかわいいもんじゃないから!っていうか、アレ、本当に印まで届くのかな?……って!何を考えてんだ!オレ!夢の皇は、アレを使えって言ってたけど、現実の皇は、『余以外入れるな』みたいなこと、言ってたし。
「何を考えておる?」
「え?あ……さっきの夢……」
さっきの夢の話をしようとして、慌てて口を抑えた。あんな夢の話、出来るか!
「ん?ああ、艶めかしい声をあげておったな。どのような夢であった?」
「え?!うぅん?……忘れた」
そう言うと、皇はオレに近付いて、クンッと匂いを嗅ぐような仕草をしたあと『嘘をついたな?林檎の香りがする』と、口端を上げた。
そうだった!オレ、皇に嘘はつけない体なんだった!
「覚えておるのだな?どのような夢であった?」
「絶対言わないっ!」
「そのように申すと是が非でも聞きたくなる」
「ぜーったい!言わない!」
「そなたの口を割らせる手段はいくらでもあると言うておろう」
「無理に聞き出そうとするなら、お前のこと、嫌いになるかもしれないよ!」
そう言うと、皇はまたクンッとオレの匂いを嗅いで口端を上げた。え?今の嘘だった?
「今のは!本気だし!嘘じゃないもん!本当に嫌いになるかもしれないんだから!」
更にクンッと匂いを嗅いだ皇は、また口端を上げて、キュッとオレを抱きしめた。
「それも嘘だ。余が無理強いしても、そなたは余を嫌わぬということだな。その想いに免じて、無理に聞くことはせぬでおく」
う……無理に聞かれないで良かったけど!何か"負けた"ような気持ちになって、皇の胸におでこをグリグリ擦りつけた。
「強く擦っては赤くなる」
オレのおでこを覗き込んだ皇を睨みあげて、『オレが言ったこと、本当に"嘘"だった?』と聞くと、嬉しそうに微笑んだ皇が、『ああ』と、オレのおでこにキスをした。
「無意識の嘘までわかっちゃうとか……そんなのズルい」
「余には嘘なぞつかずとも良い。そなたが誠、嫌がることはせぬ」
「ホント?」
「ああ。余の嘘も、全てそなたに暴かれれば良いに」
「……どっちでもいいよ」
「ん?」
「嘘でもなんでもオレ、どうせお前のこと信じちゃうもん。だったら、嘘がわかってもわからなくても同じだろ」
目を細めた皇は、『そのように男前なことを言われては嘘なぞわからぬほうが良いように思える』と、オレにキスをした。
「そうだよ!不思議な力なんてないほうがいいんだよ」
「そうかもしれぬ……いや、必要な物もあろう」
「は?何?」
皇はスッと手を下げて、オレの下腹を指差した。
「"印"だ。そなたが要らぬと申すなら、シシに返すのも一つの手ではあるが、それはあまりに惜しい」
「……何で?」
「その印は、余にとっても、恐ろしいほどの快楽を生むゆえ」
「え?そう、なの?」
「ああ」
あれ?これ、夢で見た!
と、思った瞬間、さっきの夢を思い出して、印が小さく疼いた。
さっきの夢では、このあとオレのほうが誘ってた……よな、多分。現実でももう十分ヤッたんだから、今日はもうしない!正夢になんかするもんか!オレが誘わなきゃいいんだから!そうそう!この話はもうここで終わらせて……と思っていたら、皇が『常にそなたの中に入っていたいほどに』と、オレのお尻に手を伸ばしてきた。夢ではオレが誘ったあとに、皇が盛ってきたはず!オレは今、少しも誘うようなことは言ってないのに!
「ショートカットするなよ!」
「何の話だ?」
「とにかく今日はもうしない!」
皇の手を軽く叩くと、『今日はもうせぬで良いが、印は必要であろう?』と聞いてくるから、『まぁ、あってもいいかもね』と言うと、『余はあったほうが良いと思う』と、口端を上げたままオレにキスをした。
オレだって!本当は……印はあったほうがいいと思ってるし、何なら皇がどうしてもしたいって言うなら、このあともう一回くらいしても……。
いや!それは駄目だ!まだオレたち受験生なんだから!この人間離れの頭脳を持つ、余裕綽々な若様と同じペースで盛ってたら、確実に東都大を落とすぞ!オレ!しっかりしろ!
「お前はホワイトデーの心配でもしてるくらいがちょうどいい!ちなみにマシュマロが返ってきたら、あなたが嫌いですって意味なんだって!」
盛りそうになった自分を正気に戻すため、皇に暴言を吐いて深呼吸した。
「あ?そなたはそのような物を返すまい」
「そうだといいね!」
『そんな物は返さぬと申せ』とかワーワー言ってる皇を完全無視して、夕飯を済ませた。
来月のホワイトデーには、受験も終わってる。プレゼントはオレだよルートに行っちゃっても……まぁ、有り、かも……なんて思いながら、皇からもらったトリュフチョコをまた一つ口に入れた。
fin.
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