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おまけ 68話 レンのおうち(2) ※
レンはその場所を重点的に攻め立てた。
「ひゃっ!やっ、あっ、だめっ、やぁっ」
まるでゲリラ豪雨みたいに僕の中で快楽が乱れ打たれる。僕はレンの指の動きにもう崩れ落ちそうだった。
レンはそんな僕の体を左の腕で抱えた。僕はレンの腕にもたれながら、後孔への快感の蹂躙に涙をにじませる。
「ひゃんっ、あっ、あっ、あっ、もう許してっ」
はあはあとレンの呼吸も熱く荒くなってくる。
「指、三本入ったな、もういいか?」
まさか三本も入れられてたなんて。僕はそれすら気づかなかった。ただもう痺れてとろとろなのだけは分かる。
僕はレンを見上げる。
「お願い、レンの、入れて……」
僕と同じくらい余裕のない様子のレンが、浅ましいおねだりをした僕の口に唇を重ねた。
「ベッドに移るか?」
と聞いてくれる。僕は首を振る。とろけた顔で言ってしまう。
「いい、ここでいい。ここで、犯すみたいにして……。めちゃめちゃにして……」
レンは眉を上げてから吹き出す。
「エロスイッチ入ったな。お前のその豹変、好き」
言ってレンは、冷たい床の上に僕を仰向けにさせた。
レンの体が覆いかぶさってくる。僕の両膝を持ち上げ開かせ、レンの猛りが蕾に押し付けられる。僕は呼吸を整えて、下半身を緩める。レンが入って来やすいように。
レンの熱い杭が僕の中にずぶずぶと侵入してきた。
あれほど解されたのに、僕はそこに裂かれるような痛みを感じた。異世界では感じたことのない痛み。
僕はその痛みに恍惚とした。
ああ僕は処女なんだ、って。レンに貫かれたんだ、って。
レンに裂かれた悦びに僕の心は震えた。
レンは荒い呼吸を吐きながら僕に謝る。
「ごめん……!痛いよな、ごめん……!」
僕はそんなレンが愛しくて愛しくてその首に両手を回した。
「大丈夫……。お願い抜かないで、このまま進んで……」
レンは僕より辛そうな顔をして、痛みに歪む僕の口に口づけをした。僕たちの舌が絡み合って水音を立てる。
レンはゆっくりと僕の中、奥深いところまで侵入した。僕はその恐るべき圧を耐え凌ぐ。
「全部、入ったよ」
ねぎらうような声音のレンの囁きに、僕は頬を赤らめてうんと頷く。
ものすごい圧迫感だった。異物を自分の中を受け入れる怖さ。
でも一つになったんだ。レンと一つに。それが嬉しくて嬉しくて。
レンは僕が慣れるのを待つように動かず、入れたまま熱いキスをしてくれた。そして痛みに萎えてしまっている僕のペニスを優しく扱く。
犯すみたいにして、なんて僕は言ったけど、レンにそんなことできるわけもないんだ。
レンの優しさは媚薬みたいに僕の初めての肉体に染みわたった。僕の全部を解きほぐして、淫靡な炎をともらせる。
僕のペニスはむくむくと反り上がった。レンと繋がる内部も、強烈な疼きを感じ始める。
僕の呼吸が艶めいていく。
「レン、欲しい……。僕……レンが……」
そんな僕にレンは微笑んだ。僕の耳元に唇をよせて、雄の色気たっぷりの声で囁く。
「始めるぜ。天国、見せてやっから」
レンの腰が浅く僕を穿ち始める。
小刻みに揺さぶられているうちに、痛みも圧迫感も消し飛んで、甘美な快感ばかりを肉体は拾うようになる。
「あんっ、はあっ」
僕が女の人みたいな甘い声をあげると、レンの突き上げも深くなる。波打つように深みまで突かれ、ほのかな快感がどんどん、凶暴なまでにその強度を増して、吹き上がっていく。
レンに揺すられるたびに、オイルが淫らな水音をぐちゃぐちゃと立てた。まるで自分自身が、あの液を分泌しちゃってるみたいだ。
もう「転生者液」は出てこないはずなのに、あのえっちな液を今も自分が垂れ流してるような錯覚。
やっぱり僕の体はこっちにきても淫乱な転生者なのかもっ。
レンが僕の片足を自分の肩に乗せて角度を変えた。
すると、さっき指で発見された、僕の「いいところ」にレンの欲望の杭が刺さる。
「やああっ!だ、だめ、そこだめっ」
レンは僕の涙声なんておかまいなしで、銃で狙い撃つみたいにガンガン急所を突いてくる。
「はううっ!あんっ、やっ、あっ、あっ、あんっ」
絶え間なく与えられる快感に僕はもう、涙を流して狂ったようによがってしまう。
レンは肩から僕の足を下ろすと、挿入したまま床に座って、もうぐちゃぐちゃの僕を抱きかかえた。レンの上にまたがって座る形になり、今度は自分自身の体重で、レンのが奥まで突き刺さる。
「こ、この体勢、やあっ……!」
レンは腰を突き上げながら、僕の胸を愛撫してきた。さらに手を僕のそそり立つものに絡める。
中を容赦なく穿たれながら、レンの舌が胸の突起を艶めかしく舐め上げて、先走りに濡れるペニスをしごかれる。
疼く場所全部に、最高に甘美な刺激を与えられ、僕は気が狂いそうだった。
波状攻撃みたいなめちゃくちゃな快感。
こんな快楽に脳が耐えられない、と思った時。
「いく……っ」
レンの張り詰めが僕の中で弾け、同時に僕も白濁を撒き散らした。
僕の頭に火花が散って、目の前が真っ白になって、僕は意識を手放した。
※※※
ぱちりと目をさましたら、僕はベッドの中だった。
隣でレンが頬杖をついて面白そうに僕を見てる。
「起きたか」
「あれ、僕……」
「まさかイキすぎで失神されるとは思わなかった」
えええええ。
「こ、これが噂の腹上死……」
「いや死んでねえし、怖いこと言うな」
「レンが悪いんだからね!容赦ないんだからっ」
僕は照れ隠しもあってプイッとそっぽを向いてみる。
「もう抱かせてくれない?」
寂しそうにレンが言い、僕は慌ててレンに振り向いた。
「そんなわけないよ!いっぱい抱いて!」
「よかった、俺全然、抱き足りない。お前の処女もらえてむちゃくちゃ嬉しい」
言ってレンは僕の体を引き寄せて、僕の唇にチュッと触れるだけのキスをした。甘い目で見つめられて、僕の胸が締め付けられる。
「僕も幸せ。レンに貫通……してもらえて幸せ」
なんだかすごい恥ずかしい台詞な気がして僕は赤くなってうつむいてしまう。
レンはクスッと笑った。
「そうだ、俺のこと抱いてみるか?」
僕は慌てて首を振った。
「い、いい!無理、やっぱ無理!も、もうちょっとなんと言うか、レンの高みにまで登ってからにしたい!」
自分でも何を言ってるのか分からない。一体そんな日は来るのだろうか。
そっか、とレンはちょっと残念そうな顔をする。
「でも絶対、童貞捨てたくなったら俺に言えよ?女、抱いたりすんなよ。ヨルの全部は俺のもんなんだから」
「わ、分かってるよ」
僕はレンのストレートな独占欲が嬉しすぎて、くすぐったくて、うつむいてしまう。
レンはもう一度僕に唇を重ねた。口の中まで侵入する深いキス。
レンは僕の体を仰向けにさせて、舌を体に這わせていく。僕は快感に身震いする。
レンが僕の胸の突起を舐めあげながらぼやく。
「お前、寝すぎ。失神してるお前、犯そうかと思ったよ」
「ご、ごめん」
謝りながら僕は笑ってしまう。失神してる僕の隣で悶々としてるレンを想像したらおかしくって。
これからどれだけ、僕は君に抱かれるんだろう。
いっぱいいっぱい、抱いて欲しい。
ずっと君にだけ抱かれたい。
「笑ってる余裕なんてすぐなくなるからな」
頭をずり下げ、僕のペニスを握ってレンはあーんと口を開ける。
その色っぽい顔を見るだけで、僕は甘い期待で体全部が溶けてしまいそうだった。
〜おまけ「レンのおうち」・完〜
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