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第11話

亜嵐は俺の肩に優しくのし掛かると、倒れた俺の額に唇を落とし… そのまま目元や鼻筋を亜嵐の唇が辿り、キュッとなって閉じた俺の唇の輪郭を舐める… 「…んっ…亜嵐っ…」 亜嵐から立ち上ぼり始めた甘い香りに、やけに安心感を覚えていた… 「やっぱ俺…これが一番向いてるから…二琥にはいくら愛してるって言葉で伝えても…満たされないや…」 「んあっ…亜嵐っ…」 妖艶に変幻した亜嵐は、俺の皮膚を触るか触らないかの距離で辿り… もどかしいような快感につま先が伸びる… 「んっ…っは…あぁっ」 「二琥はどうしたい?セックスしなくても満足出来るんだっけ?」 「っんー…っはぁ…亜嵐っ…むり…それ…やめて?」 足の付け根を触らずに撫でまわす様な亜嵐の手に、触ってほしくて腰が捩れた… 「っ亜嵐っ…まじっ…一回やめっ…聞いてっ」 俺が伝えたい言葉を見つけた途端、亜嵐は言葉でなく別の伝え方を決心してしまった… そのせいで俺はまともに喋らせても貰えず、息を吸う僅かな時間で必死に亜嵐に訴える… 「んはぁ…俺は…ちゃんと言いたいっ!」 「…んくく…なぁに?…二琥?」 笑いながら亜嵐がその手を止めると、俺のソレは少し残念そうにヒクついた気がした… 俺は気を取り直して亜嵐に乱された服を着直すと、ベッドの上で亜嵐に向き直る。 「くくっ…おいで?二琥?」 その様子を愛しそうに見守っていた亜嵐が、自分の膝をぽんぽんとして俺を呼んでいる… 俺は恥ずかしさよりも亜嵐に近付きたくて、その指示に従った… 「どうしたの?」 「俺も…っあ、亜嵐のこと…んひゃっ」 亜嵐はいつもの調子で俺の腰を撫で、思わず変な声が出た… 「だから、やめてよ…俺…」 「ごめん…二琥…たぶん二琥の言いたい事わかるよ…だから、なんか恥ずかしくて…つい」 「俺が亜嵐に愛してるって伝えたいのに!なんで亜嵐が恥ずかしいんだよ?…あっ」 「んくっ…二琥っ、大事な所勢いで言っちゃった…くはっ…そうだよな…二琥だもんな?」 「どういう意味だよ!んあー、くそっ…」 「ありがとう二琥…伝わったよ。…それに、ごめんな?」 「ん?」 「二琥が浮気なんか出来るわけないのに…もし、二琥にやましい事あったら、それに俺が気が付かない訳なかったんだった♪」 「…っく…何か馬鹿にされてる気もするけど…そうだよっ!それに、実際浮気も何も無いんだし!」 「ごめんごめん…俺が悪かったデス…二琥?仲直り…してくれる?」 「…うん…俺もごめん…これからはちゃんと言葉で伝える…ようにする」 「くくくっ…楽しみっ♪」 俺をなだめるような亜嵐の口付けがそっと落とされ唇の間を舌が這うと、その快感で俺の口元がだらしなく緩む… 歯列をなぞる亜嵐の舌が、俺の舌の輪郭を探して絡みついてきた… 口内から快感が身体の中へ落ちると、全身が快感を求めているようだった… 「っん…んはっ…」 「で?この後どうする?…二琥は素直に話すんだよね?」 「っえ?」 「二琥が上に座ってて、俺動けないし…この後どうするのかな?って思って♪」 「亜嵐…いじわる…」 亜嵐の肩に抱きつくと、俺のソレが期待いっぱいでこちらを向いているのに気が付いた… 「二琥がしたいこと、言ってみて?」 「…っ…続き…したい」 「続き?何の?」 「亜嵐っ!わかってるんだろ?」 「わかんない♪…二琥の気持ち言ってくれないと…俺の勘違いかもしれないし♪」 「…っく…せっ…くすしたい…」 「んー?どんな?」 「亜嵐に…ちゃんと…触って欲しい」 「こう?」 亜嵐は優しく俺の背中を撫でながら、俺の顔色を伺っている… これはこれで安心感があって中々嫌いじゃないけど、亜嵐にもたれ掛かったソレが物足りなさそうにしていた… 「っく…じゃあこれで良いよ!」 「え?二琥の望んでるのは違った?それに…また強がるの?」 「……だって」 「ねぇ?二琥がして欲しいこと、ちゃんと言葉にしてみ?」 「っく…だから…んあー、もうおしまいっ!」 「だーめ。それじゃ今までと変わんないじゃん?」 「そうだけど…ハードル高過ぎ…」 亜嵐は立ち上がろうとした俺の腰を掴み、上目遣いで見つめてくる。 さっきの決意はとうに萎んでしまっていたが、言い争ってしまった時の亜嵐の背中を思い出していた… 「じゃあさ、二琥がして欲しいことを俺にして?」 「…っ!俺、上手く出来ないし…」 「二琥、さっきの反省は嘘だったん?」 「っ違うけど!…気持ち良くなくても知らないからな!」 俺は亜嵐のTシャツを捲り上げ勢いよく脱がせようとしたが、上手くいかずに亜嵐のきょとんとした顔と目が合った… 「あれっ?」 「んくくっ…二琥?どうした?」 「くっそ…もうっ!亜嵐、脱いで!」 「諦めはやっ♪…そっかぁ、二琥は荒々しく脱がされたい感じ?」 くつくつと楽しそうにTシャツを脱ぐ亜嵐の言葉に反応するのはやめておいた… 俺が何を反論した所でボロが出る所しか想像できなかったから… 代わりに俺は亜嵐の唇を塞ぎその中へ舌を侵入させると、亜嵐はそれを受け入れて絡んでくる… 「…っん…っは…んあぁっ」 俺から攻めているはずなのに、その感触に思わず声が漏れ出てしまう… 自分の声に気が付き我にかえると、思いっきり目を瞑っていたままだった… ふと亜嵐をみやると、その姿は再び変幻している。少しは亜嵐も興奮してくれていた事に安堵するが、いつもの甘ったるい香りが薄い… 「っふ…二琥?…次は?」 催促するような瞳は深紅に変わり、その妖艶さに息を飲んだ… 俺はあの噎せかえるほどの香りを立たせたくて、喉元へ唇を滑らせた… 「んっ…二琥っ…可愛い♪」 俺は髪をくしゃっと撫でまわされながら、亜嵐の視線を頭に感じる… いつも亜嵐にされている様に、左側の突起へと舌を滑らせると右手でもう片方を摘まんだ… 人差し指でぎこちなく円を描くと、亜嵐の吐息が熱くなってくる… 立ち上る甘い香りに酔わないよう、亜嵐の突起を吸い上げる時を見計らって必死に口から息を吸った… 亜嵐の甘い吐息混じりの声が額にかかると、何故か俺の血流は下半身へと向かい… 硬くなった二人のモノが、向かい合って反り立っていた… 「っん…二琥っ……じょうず…」 首の後ろを支えられる合図を感じた俺は、さっきよりも深い口付けの要求に応える… 「んっ…んあっ…っはぁ…はぁ…っ亜嵐?」 「…ん?二琥?…何?」 「…気持ち良い?」 「…んー…二琥それ反則?」 「ん?」 「気持ち良すぎて、もどかしい…」 「え?じゃあ俺、何すれば良い?」 「もう…俺の好きなようにしても良い?」 甘ったるい香りは濃厚に漂いはじめ、快感と香りでクラクラしてきた… 亜嵐は腰を浮かせながら俺の足の間に硬いソレを擦り付けてくると、久々の刺激に俺の先端からぬらりと液体が出るのがわかった… 「んっ…」 「もっと気持ち良くなりたいでしょ?」 「…っく…」 「ほら?二琥?…素直に言って?」 「…気持ち良く…なりたい」 「焦らしプレイも良いけど…二琥の可愛いやつは、十分楽しんだし♪…」 僅かな刺激だけを与えられた俺のソレは、待ちきれなくなってヒクついていた… 「これから、俺の好きなようにシテいい?」 「っく…んっ…うん…っ」 「二琥…愛してる」 そのまま亜嵐に唇を食まれ、口内を亜嵐の舌にいやらしく確認される… 亜嵐の長い指が快感を促しながら背中を辿ると、穴の入り口を見つけられてしまった… 腰を捩り僅かな抵抗をするも虚しく、クニクニと揉まれたその穴は亜嵐の指を受け入れた… 「んくっ…亜嵐っ!」 「ん?…二琥も脱いで?」 亜嵐は指で俺の中を玩びながら、器用に服を脱がせ… 俺は亜嵐の指の動きに腰を反らせたまま、いつの間にか裸になっていた… つぷっと亜嵐の指が抜け、両手で腰を持ち上げられると、亜嵐の先端がソコに宛がわれている… 入り口だけを押し広げられて、ぬちぬちという音と滑るような感触がした… 「っえ?…亜嵐?…まじ、それはムリ…」 「大丈夫…俺のも二琥も準備万端だから…」 「んっ…んあっ…ムリ…入んないっ!」 「もう…遅い…絶対痛くないから…」 亜嵐に優しく唇を塞がれると、亜嵐は俺の腰を自分の上に一気に落とした… 俺の出口は亜嵐のソレでいっぱいに広がり、隙間も無いほど詰まっていた…

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