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第2話

 翼の顔を見た和哉は、一瞬とまどった。  目は赤く、瞼は腫れ、眠れなかったのか隈までこしらえている。 「おはようございます!」  それでも翼は先客が和哉と解ると、明るい声で挨拶してきた。 (無理してるんだろうな)  心の中でそう考えると、和哉は淹れたてのコーヒーが入ったグラスポットを差し出した。 「よかったら、飲む?」 「え、結構です。せっかく渡さんが淹れたコーヒー……」 「俺の淹れたコーヒーを、飲めないっての?」 「いえ! そういう意味じゃなく!」  真面目な翼は、からかうと実に可愛い。 「また淹れるから、いいんだ。ほら」  和哉はそう言って、ポットのコーヒーを翼のマグカップに注いだ・ 「ありがとうございます」  湯気が、心まで温めてくれるようだ。  翼は、ほっとした心地で肩の力を抜いた。

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