今日から4月。 ４月から俺は高校生。だけど、俺は中等部からのそのまま上に進級するだけ。 とりあえず、"高等部"へ上がる為の試験はあった。でも、そんなの、普通の成績をとっていたならよっぽどの馬鹿か問題児じゃないかぎり、大体が受かる。 この学校はいわゆる、私立の中高一貫学校。付属の大学もある。 高校から受験で入ってくるやつらもいる。受験で入ってくるには、この学校はかなり頭がよくないとだめだ。 俺は西本和也(にしもとかずや)。 中等部からの上がり組。俺も一応、中学受験で入って来たから、とりあえずは、頭がいいはず。小学校もそこそこレベルが高い学校だった。でも、学校へ入ればみな同レベルのやつばっかだったし。そこからのスタートだったから。 小学校時代頭よくても、ここにきちゃただの人？状態。俺なんて中学1年で落ちこぼれ決定・・みたいな。 成績なんて下がるいっぽう。 とりあえずは、テストは３年間なんとか追試にもならずにまあまあの成績で通したよ。 校門がよく見える廊下の窓からぼんやりと登校してくる生徒を見ていると後ろから、 「外部組み続々来てるねえ」 淳司(じゅんじ)が言ってきた。 淳司は俺の友達、中等部の時もずっとつるんでいた。まあ、悪仲間みたいなもん。 「どんな感じ？」 「う～～ん外部からのやつはみんな頭いいやつだろ？なんか地味系ばかりじゃね？」 外部から受験で来たヤツはすぐわかる。 慣れない制服を着てオドオドキョロキョロしているやつ。 下から来たヤツもだいたい顔でわかるけども、一番の違いは外部のヤツと違って、真新しい高校の制服を着ているのに、キョドらないし、親と一緒に来てても、もう生徒同士でつるんで学校に来ていること。 一応、中学からの上がり組みでも卒業式はあった。付属高校じゃなくって他の高校に行くやつだっていたから。 それで、今日は高校の入学式。 でも、俺らは・・なんか真新しさが無いんだよなあ。 まあ、唯一の楽しみは、外部からきたやつがどんなやつらが来るのか・・・だったりする。